IT関連企業や消費者グループ、その他の団体による連合が、スパイウェアやアドウェアをばら撒く会社に対し、米国の公開捜査番組「America's Most Wanted」と同じような手を使おうとしている。その手法とは、不正行為を公開することにより、逃亡中の犯人を捕らえようというものだ。
新たに結成された「Stop Badware Coalition」は、最も悪質と思われる企業の名前を公開するとともに、それらの会社が営利目的で行う反倫理的なマーケティング活動や不正行為を示していくという。
このグループには、検索エンジン大手のGoogle、PCメーカーのLenovo、Sun Microsystems、Consumer Reports誌による「WebWatch」プロジェクト、ハーバード大学ロースクールのBerkman Center for Internet & Society、そして英国のOxford Internet Instituteが参加を表明。また、インターネットの先駆者であり、現在はGoogleの最高インターネットエバンジェリスト(Chief Internet Evangelist)を務めるVint Cerf、そして「Release 1.0」の編集にも携わる投資家のEsther Dysonなどが、同グループのアドバイザーに就任する。(Release 1.0はNews.comの発行元であるCNET Networksが保有している)
IBMが米国時間25日に発表した調査結果によると、約700人の成人を対象にしたこの調査では、現実の犯罪よりもオンライン犯罪の被害にあう可能性のほうが高いと考えている人が増えているという。オンライン犯罪の可能性に対する不安は消費者の行動を変化させている。コーヒーショップや空港などにある無線ネットワークは利用しないと答えた回答者は全体の半数に上り、また38%はオンラインバンキングを利用しておらず、さらにオンラインではクレジットカードを利用しないと答えた者も37%に上った。
インターネットユーザーは、米国時間25日に公開予定の「Stopbadware.org」にアクセスし、ダウンロードしたいプログラムがスパイウェアやアドウェアなどの悪質なソフトウェアに感染していないかどうかを確認できる。そして悪質なプログラムを発見した場合は、それを他者に警告することもできるようになる。
約2週間前には、Microsoft、Yahoo、AOL、Symantec、Computer Associates、McAfeemの各社が参加する「Anti-Spyware Coalition」が、スパイウェアの特定および対処のための基準となる方法について合意したことが発表されていた。
「Stop Badware Coalition」では、スパイウェアやアドウェアなどの悪質なプログラムを「バッドウェア」と総称しているが、同グループの共同ディレクターを務めるBerkman Center for Internet and Societyのエグゼクティブディレクター、John Palfreyによると、バッドウェアは年間何十億ドルもの被害を出しているという。
最近のPew Internet & American Life Projectの報告によると、米国の成人が使う6000万台弱のコンピュータにはバッドウェアが感染しているという。また、悪質なプログラムに感染したハードウェアの取替えまたは修理のために一般ユーザーが支払った金額は、2003年と2004年にそれぞれ35億ドルに上ったと、Consumer Reports誌は推定している。
Cerfによると、こうした問題の増加によりインターネット利用の将来が脅かされているという。
「断固たる措置が採られないまま、侵入的なバッドウェアやスパイウェアの拡散が放置されれば、インターネットの成長の可能性が制限されるであろう」(Cerf)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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