ロンドンのオフィスワーカーを対象に行われたある調査によると、ほぼ7割の人がチョコレートバーと交換でネットワークアクセス用のパスワードを教えてしまったという。
この調査は、来週ロンドンで開催されるセキュリティ関連の展示会「Infosecurity Europe 2004」の主催者が実施したもの。ロンドンの主要駅の1つリバプールストリート駅で行われたこの調査では、あわせて172人の通勤者に、チョコレートバー1本と交換に勤め先で使用しているパスワードを教えて欲しいともちかけたところ、驚くべきことに37%の人が即座にこれに応じた。また別の34%の人は、おおかたペットや子供の名前でも使っているのだろうと質問者が言うと、あきらめてパスワードを明らかにしたという。
この調査結果は、雇用主が、情報セキュリティの重要性についてユーザーをきちんと教育していないことを示している、とInfosecurity Europe 2004のイベントディレクターClaire Sellickは述べている。「これは、教育や手続きが行き届いていないことを示している。雇用主は、従業員に情報セキュリティポリシーを理解させること、そしてそのポリシーを最新の状態にしておくことを徹底するべきだ」とSellickは声明のなかで述べている。
この調査によると、参加者のほとんどはたくさんの異なるパスワードを覚えていなくてはならないことにうんざりしており、代わりに指紋認識などの生体認証やスマートカードを利用するほうがよいと考えているという。
Microsoft会長のBill Gatesは、3月にサンフランシスコで開催されたRSA Securityカンファレンスで、従来のパスワードを使ったやり方では重要な情報をしっかり保護できないことから、今後この方法は廃れていくと語っていた。「今後人々がパスワードに頼ることはますます少なくなっていくだろう。ユーザーはいま、さまざまなシステムで同じパスワードを使い回したり、パスワードを紙に書きとめたりしている。このような状況では、本当に保護したいものに対応できない」とGatesはこの基調講演のなかで発言した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」