Microsoftが、Symantecの一部セキュリティツールを悪質なソフトウェアと判断した自社スパイウェア対策製品を修正した。
この問題は、Microsoftが米国時間2月9日夜に「Windows AntiSpyware」のアップデートを投入した後に発生した。MicrosoftとSymantecが13日に出した共同声明によると、アップデートされた同ソフトウェアは、Symantec製品が設定したWindowsのレジストリキーを、パスワードを盗み出す「Bancos」という悪質なソフトウェアのものと判定していたという。
Windows AntiSpywareは、このレジストリキーを検知すると、削除するようユーザーに警告する。MicrosoftとSymantecは声明のなかで、「これらのレジストリキーを削除すると、『SAV(Symantec AntiVirus)』と『SCS(Symantec Client Security)』のすべてのバージョンが正しく機能しなくなる」と述べている。
両社によると、この問題はMicrosoftのWindows AntiSpyware Beta 1と、Symantecの企業ユーザー向けセキュリティソフトウェアの各種バージョンのユーザーに影響があるという。Symantecのコンシューマーブランド製品である「Norton」シリーズには影響がない。SymantecとMicrosoftでは、影響を受ける顧客の数は少ないと考えている
Microsoftは、この問題を修正する自社製品用の新しいアップデートを10日午前にリリースした。SymantecとMicrosoftは、影響を受けたSymantec製ソフトウェアのインストレーションを修正するツールを用意した。両社によると、このツールはSymantecのサポート部門から無償で入手可能だという。
Windows AntiSpywareはまだベータ版だが、Microsoftサイトでは最も人気の高いダウンロードソフトウェアの1つとなっており、幅広く利用されている。Microsoftによると、同ソフトウェアは約2500万回ダウンロードされているという。
Windows AntiSpyware関連の問題が発生したのは今回が初めてではない。Microsoftは2005年、同社のスパイウェア対策製品がオランダのウェブディレクトリStartpagina.nlを悪質なサイトだと誤って判断したことで、MSNの主力ライバルの1つである同サイトに対し、正式に謝罪し、補償を行っている。
Windows AntiSpywareは、スパイウェアなどの悪質なソフトウェアからPCを守るよう設計されている。スパイウェアは、システムにインストールされると、ユーザーに気付かれないようその活動を監視するソフトウェア。
Windows AntiSpywareは、2005年「Windows Defender」へと名称が変更された。同製品は、まもなく登場すると見られるセカンドベータの出荷時からこの名前になる。「Windows XP」の後継で年内出荷予定の「Windows Vista」では、その最新プレビューリリースに既にWindows Defenderが搭載されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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