「Kama Sutra」と呼ばれるワームが来週、ネットワークトラフィックに問題を生じさせる可能性があると、セキュリティベンダーが企業に対して注意を呼びかけている。
このウイルスは「Nyxem.E」などの名称を持ち、最初に報告されたのは1月16日のことだ。現時点ですでに、感染したPCは50万台以上と予想されている。セキュリティベンダーのIronPortは米国時間26日、同ウイルスに感染したPCが2月3日に増殖活動を開始するよう仕組まれていると警告した。
主要なウイルス対策ソフトウェアベンダーはすでに同ウイルスに対応する定義ファイルを提供しているので、企業はウイルス対策ソフトを最新の状態に更新しておけば、直接被害に遭うことはなさそうだ。だが、IronPortによると、企業には2次的な被害が予想されるという。自己増殖を試みるウイルスは、感染したPCから電子メールアドレス情報を獲得しているからだ。
「感染したPCが企業ネットワークとの接続を試みたとき、連鎖反応が予想される。電子メールの送信数やネットワークトラフィックが急増し、電子メールのレスポンス時間が遅くなることも考えられる」とIronPortの技術コンサルタント、Jason Steerは説明する。
F-Secureは1月16日、Nyxem.Eが感染報告全体の21.7%を占め、ウイルス統計リストのトップになったと報告している。
Nyxem.Eは実行されると、PCに格納されているWord、Excel、PowerPoint、PDF形式のファイルをすべて削除する。また、電子メールの添付ファイルやネットワークワームとして自己繁殖を試みるため、閉鎖的なネットワークは大きなダメージを受ける可能性がある。
2月に実際に攻撃が起こるまで、このウイルスがインターネット全体に与える脅威の規模を予測することは難しい。「感染したホストの台数による」とSteerは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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