Apple Computerは今週、同社のメディアプレイヤー「QuickTime」のセキュリティアップデートを公開したが、これをインストールしたところ問題が発生したとの苦情の声が、一部のMac OS XやWindowsユーザーの間から上がっている。
Appleのウェブサイトにあるサポート用掲示版には、複数の不具合が報告されているが、それによると、問題の大半はMac OS X版に関連するもののようで、アプリケーションやファイルが削除されたり、動画ファイルが再生できなくなったり、QuickTime Proを利用するための権利が消失したなどの症状が出ているという。
Appleは米国時間10日、複数の重大なセキュリティ脆弱性を修正するために、QuickTime 7.0.4をリリースした。MicrosoftのWindowsやAppleのMac OS Xが動作するコンピュータでは、この脆弱性によって外部からコントロールされてしまう危険があった。Appleでは、攻撃者がこの脆弱性を悪用し、ユーザーをだまして悪質なファイルを開かせる可能性があると述べていた。
しかし、Appleが提供したパッチ自体にもバグがあったようだ。「Erik Nanstiel」と名乗るユーザーは、「最新のQuickTimeにアップグレードしてから、多くの問題が発生している。のろわれたこのアップグレードを取り除くため、システム全体の再インストールを考えている」とAppleの掲示板に書き込んでいる。
「Final Cut Pro」を使用して映画を制作しているある女性は、アップデートのインストール後にQuickTime Proのいくつかの機能が使えなくなったと説明している。「Steve Jobsにタートルネック1着分の金額をもう一度支払わなくても、QuickTime Proの機能を取り戻す方法があれば、教えてほしい」とこの女性はサポート掲示板に書き込んでいる。
QuickTime 7.0.4をWindows PCにインストールした一部のユーザーは、インストール後から同メディアプレイヤーのインターネット接続に問題が発生したと述べている。また、別のWindowsユーザーは、QuickTimeのアップデート機能を使用しても、ソフトウェアがダウンロードできないと報告している。
Appleのウェブサイトによると、同社は、QuickTime 7.0.4を取り除き、QuickTime 7.0.1に戻すためのツールをMac OS X用に公開したという。また、QuickTime7.0.4がAppleのウェブサイトから一時的になくなった後、再び公開されていたとの報告も書き込まれている。
この件について、アップル関係者からのコメントは得られなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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