Cisco Systemsの無線LANコントローラにセキュリティバグが存在し、攻撃者がこれを悪用すると、安全なWi-Fiネットワークに悪質なトラフィックを送信できることが判明した。
この問題が影響を与えるのは、一般的な家庭で利用されるネットワークではなく、大規模なWi-Fiネットワークである。Ciscoが米国時間2日に発表したセキュリティ勧告によると、同問題は、同社の無線LANコントローラ「2000」および「4400」が管理するWi-Fiアクセスポイント「1200」「1131」「1240」シリーズで発生するという。
Wi-Fiアクセスポイントは、無線サービスへの接続を可能にするデバイスである。大規模なWi-Fiネットワークの管理者は、通常はアクセスポイントに搭載されているコントローラを利用して、セキュリティポリシーや侵入防止、無線周波数管理などを集約的に制御している。
Ciscoは、2000および4400コントローラを利用するWi-Fiネットワークでのみ、このセキュリティ問題が起こると述べている。これらのモデルのシステムに接続していないアクセスポイントは、影響を受けないという。
Ciscoはまた、暗号化されたネットワークトラフィックだけを処理するよう設定されたアクセスポイントでも、暗号化されていないトラフィックを通過させてしまうおそれがあると話している。攻撃者はこうした脆弱性を悪用して、安全なトラフィックを装った悪質なトラフィックを無線ネットワークに送ることができる。さらに、認証されていないアクセスが許可される可能性もある。
攻撃のリスクを軽減するため、ネットワークでは接続を許可するハードウェアのMACアドレスをあらかじめ登録しておくが、攻撃者はこれを悪用して攻撃を成功させている。
Ciscoは、この問題を修復する無線LAN用ソフトウェアアップデートの提供をすでに始めている。セキュリティ問題の監視および研究を行うFrench Security Incident Response Team(FrSIRT)は、同問題の危険度を「中程度」と分類した。
今回のWi-Fiネットワークに関する脆弱性は、Ciscoが同社のIPS(侵入防止システム)セキュリティソフトウェアに関するセキュリティ問題について発表した翌日に公になった。Ciscoは勧告の中で、この問題は、同社のIPS「Internetwork Operating System」の設定ファイルにエラーがあったことが原因だと説明している。Ciscoによれば、「IPS Management Center」バージョン2.1によって設定されているCisco製IPSが影響を受けるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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