元の雇い主に「電子メール爆弾」を浴びせたとして訴えられた英国の10代の若者が現地時間8日に出廷する。この訴訟は「コンピュータ不正使用法(Computer Misuse Act)」の先例となる。
警察側は、この若者が以前の職場に500万通もの電子メールを送りつけたと告発している。このような大量の電子メールはサーバをクラッシュさせてしまう恐れがあるため、DoS(サービス拒否)攻撃とみなされている。
これまでDoS攻撃をしかけたことで有罪になった者がいないため、今回の訴訟はコンピュータ不正使用法の有効性を占うものとなっている。この件に詳しい関係者によると、訴えられた若者の弁護士は、同法の下でDoS攻撃は違法でないという議論を展開するという。
サービス拒否攻撃は同法の下で犯罪行為として明確に規定されていないため、英国議会の一部の議員は法改正を検討している。法律で明確に規定されている犯罪行為は「不正アクセス」とコンピュータマテリアルの「不正な修正」だが、DoS攻撃はどちらかというと法的にはグレーゾーンにある。
この若者はウィンブルドン下級裁判所で、不正なデータ修正とコンピュータシステムの改ざんに関する同法第3条の下で裁かれることになっている。
弁護側が証人として呼ぶことになっている技術専門家のPeter Sommerによれば、大量の電子メールがサーバ上のデータを修正するわけではないため、弁護側は同法の下で若者を有罪にできないという議論を展開するはずだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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