Microsoftが提供したパッチに含まれていた不具合に関して、セキュリティに対する関心が高く、PCの保護強化を目的にWindowsの設定を変更していたユーザーが、深刻な影響を受けていると、専門家らが米国時間17日に明らかにした。
Microsoftでは既に、先週リリースしたパッチが一部のユーザーで障害を引き起こす可能性があることを認めている。同社が米国時間14日に公開した勧告によれば、ユーザーが自分のPCから締め出されたり、Windows Firewallが起動しなくなったり、一部のアプリケーションの実行/インストールができなくなったりするほか、ネットワーク接続フォルダが空になってしまうなどの問題が発生するという。
Microsoftによると、この障害はWindowsフォルダに対するデフォルトのアクセス設定が変更されている場合に発生するという。専門家らによると、問題となる設定の変更は、一般的ではないが、システムのセキュリティ強化を目的に一部のユーザーでは実施されているという。
SANS Instituteの最高調査責任者(CRO)Johannes Ullrichは、「パッチの不具合は、アクセスリストを強化したユーザーに影響を与えている。つまり、一般的に高度な知識を持ち、セキュリティに対する関心の高いユーザーたちだ」と語る。
セキュリティソフトウェアベンダーSt. Bernard SoftwareのシニアプロダクトマネージャVijay Adusumilliによると、アクセス要件の厳しい金融業界や医療業界などの企業でも、このような設定にしている可能性が高いという。「セキュリティの向上を目的に、設定が強化されている」(Adusumilli)
不具合を含んでいたパッチは、Windowsの4件の脆弱性を修正するため米国時間11日にリリースされた。Microsoftではこれらの脆弱性をまとめて「緊急」に分類し、専門家も、この問題に関連したワームの攻撃が差し迫っている可能性があると、注意を呼びかけていた。Microsoftは、すべてのユーザーに対し、セキュリティパッチMS05-051で配布されたアップデートを即座に適用するよう促していた。
「ユーザーがPCのセキュリティ設定を変更して強化している場合、このパッチはかなりの数のソフトウェアに障害を引き起こすだろう」と、Adusumilliは述べている。同氏によると、今回のアップデートでは、Windowsで考え得るすべてのユーザーコンフィギュレーションが単純に考慮されていなかったという。
今回の問題は、Windowsへのパッチ適用に関して、ユーザーの危惧を高めることになるかもしれないと、Adusumilliは指摘している。
「Microsoftのパッチは品質に対する評判が改善し始めたばかりだったが、これで多少の悪影響が出ると思われる」(Adusumilli)
ソフトウェアの修正がリリースされてから、この脆弱性を悪用する悪質なコードの攻撃が始まるまでの間隔が狭まりつつあるなか非常に懸念される事態だと、Ullrichは語っている。ユーザーは、「パッチ適用猶予期間」の狭まりから改善策の適用を急がされている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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