オランダ警察は、世界中にある10万台以上のコンピュータに侵入し、乗っ取ったシステムを使ってオンライン犯罪を働いたとされる3人の容疑者を逮捕した。
この3名の氏名は公表されていない。容疑者らは、トロイの木馬として知られる悪質なプログラムを使ってコンピュータを乗っ取った疑いが持たれていると、オランダの検察当局は現地時間7日付けの声明のなかで述べている。同声明によると、この捜査は現在も続いており、新たな逮捕者が出る可能性もあるという。
主犯格と見られているのは19歳の男性で、ほかに22歳と27歳の男性が逮捕された。警察が容疑者の家宅捜索を行い、コンピュータ、書類、現金、スポーツカー1台を押収したほか、容疑者の銀行口座も差し押さえたと、検察当局は説明している。
「W32.Toxbot」というこのトロイの木馬は、2005年に入って初めて確認された。このウイルスがインストールされたコンピュータは、攻撃者によってリモートからコントロールされてしまうほか、キーロガーによって機密情報を盗まれる可能性もあると、検察当局は述べている。
このトロイの木馬はウイルス対策ソフトウェアでも検出可能だが、容疑者らはウイルス対策ソフトウェアメーカーの裏をかこうと、自ら作成した悪質なコードに変更を加え続けたと、検察当局は述べている。
当局は、容疑者らがコンピュータへの侵入、コンピュータネットワークの破壊、アドウェアやスパイウェアのインストールを行ったと主張している。また、この3人はオンラインバンクへのログイン用データを盗む目的でウイルスを作成するなどのサービスを提供し、他者から報酬を得たと考えられているという。
この捜査からは、容疑者らがPayPalの支払い用アカウントやeBayのオークション用アカウントを不正操作した可能性も浮上している。
さらに容疑者らは、「ボットネット」と呼ばれるコンピュータネットワークを使って、ある米国企業に対して強請(ゆすり)を働いた疑いも持たれている。彼らは内部者から「ボット使い」と呼ばれ、サービス拒否(DoS)攻撃を仕掛けてこの企業のウェブサイトを停止に追い込むと脅したと考えられていると、検察当局は述べている。
「このボットネットはすでに消滅しているが、感染したコンピュータの数は10万台を数え、過去最大級のものだった」と検察当局は述べ、このネットワークには世界中のゾンビPCが使われていたと付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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