セキュリティ業界やメディアが携帯電話ウイルスに対する懸念を声高に訴える中、携帯電話向けオペレーティングシステム(OS)のメーカーであるSymbianは、自社製のOSを搭載した携帯電話がウイルスに感染する危険性はないと明言した。
Symbianほどの企業であれば当然あらゆるセキュリティ脅威について四六時中調査し、脅威の存在が明らかになれば必要な対策を施すと考えるのが自然であろうと、同社のリサーチ担当エグゼクティブバイスプレジデントDavid Woodは述べている。
「Symbianは、この問題では大きな失敗をしたくないと考えている。PCの世界でユーザーが現在直面している問題が、(携帯電話の世界では)絶対に起こらないようにしたい。問題を防ぐため、4年前から定期的に、多くのパートナー企業やウイルス対策企業と連絡をとっている」(Wood)
携帯電話ウイルスの危険性に関する報道がなされていることも事実だ。だがWoodは、現段階では携帯電話ユーザーがウイルスの脅威に直面しておらず、そのリスクも増加していないと考えている。
「コンセプト実証型のウイルスは増加している。だが、これは、ウイルスがまん延するリスクが高まっているという意味ではない。こうしたことでパニックを起こしたり、不安になったりする必要はないのである」とWoodは言う。
Woodによると、今現在出回っている脅威の数はごくわずかで、どれも取るに足りない存在だという。これらの脅威は感染を広めたり、まん延したりするための効果的な手段を有しておらず、容易に抑制できると、Woodは続けた。
Woodはさらに、これらのウイルスはユーザーの許可なしに拡散することはなく、自分の携帯電話をわざわざウイルスに感染させるユーザーは非常に稀だと述べた。
「もし誰かに『携帯電話に新しいアプリケーションを入れてあげるから、30分貸してくれ』と尋ねられたら、用心するのが普通だろう。だとしたら、知らない人から受け取ったアプリケーションファイルなど、誰が開くだろうか?」(Wood)
Woodは、時間の経過とともに脅威が増加する可能性はあるとしたうえで、「良識」のあるユーザーが携帯電話ウイルスの被害に遭う可能性は、事実上ゼロであるはずだと述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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