Trusted Computing Group(TCG)が、特殊なセキュリティチップを搭載したサーバ向けの仕様を公開した。同団体によれば、この仕様を適用することで、サーバはより優れたデータ保護とトランザクションを実現できるという。
「高信頼サーバ」の核となるのはTrusted Platform Module(TPM)と呼ばれるチップで、デジタルキーや証明書、パスワードなどの情報を保持する。TPMは、PCではすでに利用が始まっている。Hewlett-PackardやDellといったPCメーカーによって、1500万台以上の「高信頼クライアント」が出荷されたと、TCGは話している。
このセキュリティチップを搭載するコンピュータは、データを保護してコミュニケーションの安全性を図り、企業やビジネスパートナーが所有するシステムを認識することができる。
TCGのマーケティングワーキンググループの会長を務めるBrian Bergerは、同団体の仕様に沿って設計されたサーバは対攻撃性が向上すると、インタビューに答えて述べた。同氏はまた、重要なデータは、頻繁に攻撃を受ける脆弱なソフトウェアではなく、ハードウェアベースのセキュリティによって保護することができると話している。
「ソフトウェアに、ワームやウイルス、脆弱性などの問題があることはよく知られた事実だ。現在では、重要な情報は、不正アクセスに対して強力な保護機能を持つハードウェアを用いて守るようになっている。ハードウェアによる保護においては、ソフトウェアに見られるような脆弱性は存在しない」(Berger)
このTCGの仕様は先週初めにリリースされており(英語PDF資料)、ハードウェアメーカーは自由に利用できる。また同仕様は、多数のプロセッサアーキテクチャやフォームに対応しているという。TCGでは、同仕様を適用した最初のサーバは、2005年末までには市場に投入されると見込んでいる。
TCGのメンバーには、DellやHP、IBM、Sun Microsystemsなどのサーバメーカーが含まれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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