米国で発生した大規模なクレジットカード情報流出事件の被害に遭った消費者およびカード加盟店の支援を目的とした集団代表訴訟が27日に提起された。この情報流出事件により、数十万件のクレジットカード口座が不正使用の危機にさらされている。
訴状のコピーによると、この集団訴訟は、カリフォルニア州のクレジットカード保有者および加盟店を代表して、CardSystems Solutions、Visa、MasterCardの3社を相手取って起こされたもので、訴状はサンフランシスコのカリフォルニア州高等裁判所に提出された。
原告は訴状の中で、被告である企業各社はクレジットカードシステムの安全確保を怠り、支払いデータ処理業者CardSystemsからの情報流出に関する情報を適時に消費者に伝えなかったと非難している。情報流出の事実は、MasterCardが6月17日に公表した。
今回の情報流出事件で、不正侵入者はクレジットカード4000万枚分の詳細情報にアクセスした可能性がある。CardSystemsのネットワーク外に持ち出されたカード記録はおよそ20万件と見られている。それにも関わらず、クレジットカード会社はカード情報が実際に不正使用された顧客にのみ流出の事実を告知するとしている。
原告は、CardSystems、Visa、MasterCardの3社に対し、個人情報流出の被害に遭った消費者への告知と個人データの盗難が確認された顧客への特別な通知を要請している。またさらに、今回の事件の被害者全員がクレジットカードの利用状況を監視できるサービスを利用可能にすべきだと主張している。
さらに、今回の集団代表訴訟を提起したカリフォルニア州サンラファエルを拠点として活動しているIra Rothken弁護士は、今回の情報流出事件の被害に遭ったクレジットカードを使った不正取引が発生した場合、クレジットカード会社は加盟店に対するチャージバック料金や罰金の請求権を放棄すべきだと語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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