感染台数は減少しているものの、スパイウェアは依然として、個人や法人にとって頭痛の種となっており、20億ドル規模の市場を創出していると、研究者らは米国時間3日に述べた。
セキュリティ対策ソフトウェアベンダーのWebrootが発行した「State of Spyware Report」によると、ユーザー間でのスパイウェアに対する認知度が上がっており、それなりに有効な対策が講じられるようになったにも関わらず、スパイウェアに感染したPCの台数は比較的高い水準を保ったままだという。Webrootによると、家庭用PCの88%に何らかの不要なプログラムがインストールされていたという。この数値は、同社がスパイウェア監視ソフトウェアを利用した自社サービス「Spy Audit」で収集したデータに基づく。
企業で利用されているPCを対象にした調査でも、同様に驚くべき事実が判明した。同調査によると、調査対象となった企業用PCの87%にスパイウェアがインストールされていたという。Webrootは、これでも2004年に比べると状況は改善しているという。同社が2004年第1四半期に実施した同様の調査では、PC1台あたり平均28個のスパイウェアプログラムがインストールされていたことが明らかになっていた。
「明らかに、スパイウェアに対する認知度は高まっている。しかし、認知度が高まったからといって、プログラム数が急激に減少するような傾向は見られない」とWebrootのCEO、David Mollは述べる。「訴訟や法整備など、スパイウェアに関連した動きがあることを考えると、今後状況が改善する可能性も高い。だが、状況を大きく改善しようと思ったら、ユーザーはもっと積極的なアプローチでスパイウェアと闘う必要がある」(Moll)
Mollは、4月末にニューヨーク州司法長官Eliot Spitzerがウェブマーケティング会社のIntermix Mediaを相手取って起こしたアンチスパイウェア訴訟に言及した。Mollによると、この訴訟が成功すれば、スパイウェアを配布する人や企業を監視したり、追跡したりしやすい環境が整う可能性があるという。しかし、同氏は、業界が団結して問題に取り組むことや、中央集権型での業界全体の取り組みと、米国政府による法整備も必要だという。
Webrootは、個人や法人に大きなセキュリティ上の脅威をもたらすスパイウェアについて、年間20億ドル規模の市場を創出していると述べた。中でも、ポップアップ広告を表示するタイプや、ホームページをハイジャックするタイプ、ウェブ検索結果をリダイレクトするタイプ、ウェブトラフィックを横取りするために「DNS Poisoning(DNSキャッシュ汚染)」という手法を用いるタイプが、市場の拡大につながっているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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