先頃、携帯電話向けに作成された悪質なプログラムが複数発見されたとして、あるセキュリティ対策企業が、ワイヤレス業界に警告を発している。
携帯電話用のウイルス対策ソフトウェアを開発するSimWorksは米国時間20日、携帯電話用のゲームやソフトウェアに潜むトロイの木馬を52種類確認したと発表した。これらのトロイの木馬は、安全に共有/利用できるように見えるソフトウェアに潜んでいるという。トロイの木馬には、携帯電話に搭載された重要なコンポーネントを破壊する悪質なソフトウェアが含まれている。
これらのトロイの木馬が標的としているのは、Symbian OSを搭載した携帯電話のみ。Symbian OSは、スマートフォン向けに開発されたオペレーティングシステム(OS)で、PCと類似の機能を携帯電話上で実現するために開発されたMicrosoft製品と競合する。SimWorksのCEOであるAaron Davidsonによると、現在のところ感染は報告されていないという。
現在、携帯電話の全販売台数に占めるスマートフォンの割合はごくわずかに留まっている。だがアナリストや携帯電話業界関係者の多くは、今後10年の間でSymbianなどの先進的な機能をもったOSの普及が進み、携帯電話向けのウイルスも広く出回るようになると見ている。
これまでのところダメージは取るに足らないレベルに留まっている。だが、SimWorksとセキュリティを専門に手掛けるF-Secureが先頃発表した警告を、ワイヤレス業界は警鐘として受けとめる必要がある。今回の報告により、Symbianを標的にしたトロイの木馬が、これまで100件以上見つかったことになる。
ウイルス作成者もまた、これまでにないペースで悪質なソフトウェアを製作しているようだ。Davidsonによると、2004年6月〜10月までの間、Symbianを狙う新種のトロイの木馬は月に一度のペースで出現した。ところが、それが今では、週1度のペースになっているという。
「これだけ多くのトロイの木馬を作成するには、かなりの手間がかかる。ウイルス作成者が何人いるのか分からないが、彼らの決意が相当高いことを示している」とDavidson。「オリジナルの作成者は、悪質なプログラムを一般にリリースする意図はなかったかもしれない。しかし、これらトロイの木馬がウイルス作成者のコミュニティの中で広まっていることは事実だ。そして、いつかコミュニティの中の誰かが、一般ユーザーに向けてこれをリリースしてしまうことになる」(Davidson)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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