「Firefox」ブラウザに複数のセキュリティ上のバグが発見されている。こうした状況のなか、Firefoxの普及に自発的に取り組む支持者らは、同オープンソースプロジェクトがセキュリティ上優れていることを改めて強調しようとしている。
Mozilla FoundationがFirefoxの脆弱性を修正するパッチをリリースしたという米国時間18日の報道を受けて、Firefoxの支持者らはとうとう、セキュリティ問題がFirefoxを普及させるうえで大きな障害になりかねないと認識するようになった。先頃のパッチで修正された脆弱性は、攻撃者に悪用されると悪質なコードをPCにインストールされたり、個人情報を盗み出されたりするという深刻なものだった。
Firefoxの普及に努めるボランティアグループSpread Firefoxのある参加者は、「バージョン1.0.3より前のFirefoxには、深刻なセキュリティ上のリスクが存在していた。これらのセキュリティリスクは、安全性の高いブラウザというFirefoxの評判を落とすことにつながるものだ」と述べている。
Firefoxは、MicrosoftのInternet Explorer(IE)にはないタブブラウズなどの機能を擁して好評を博しているが(IEベースのサードパーティ製ブラウザの中には、同機能を提供するものもある)、同ブラウザがIEのマーケットシェアを多少なりとも奪うことができたのは、主にFirefoxがIEよりも安全だという認知があったからだ。
Firefoxのダウンロード数は、5000万に達しようとしている。一部の支持者はこの偉業をたたえたが、セキュリティ問題の発生により、Firefoxの最大の存在意義とされる安全性が疑問視されるのではないかと懸念する向きもある。
Mozilla FoundationのプレジデントMitchell Bakerも3月のPC Forumで強調していたが、Firefoxは安全であるというのがMozillaの言い分だ。だが、安全性に対する懸念は拡大し、Mozillaの主張は根拠を失いつつある。
米国時間18日付けのMozillazineへの投稿には、「皮肉屋なら、Mitchellが例のコメントを発表したあとに、Firefoxのセキュリティアップデートが2回も行われたと指摘するだろう」と記載されていた。
InformationWeekやIT Observerといったウェブサイトがコラムのなかで、Mozillaのセキュリティ上の優位性に疑問を呈すると、Slashdotやその他のサイトでも同様の議論が交わされるようになった。前述のMozillazineの記載も、そうした動きの一部だ。
だがMozillaの普及に力をいれるボランティアらは、一連のバッシング報道に注目しながらも、Firefoxは安全であるという主張を捨てていない。
彼らが現在検討している普及促進キャンペーンには、オープンソースブラウザFirefoxとコンドームの安全性を関連付け、Firefoxのロゴが印刷されたコンドームをジーンズの後ろのポケットからのぞかせるというものがある。
キャンペーンのキャッチコピーは、「プロテクションを忘れずに」という言葉から始まり、「GetFirefox.comでダウンロードできるFirefoxは、無料のウェブブラウザです。プライバシーの保護にすぐれ、ポップアップやスパイウェア、ウイルスなどを防ぎます」と続く。
このイメージは大学でのポスターキャンペーン用に考えられたものだが、人々に不快感を与えるおそれがあるとして、結局は実現しなかったと、Mozilla FoundationスタッフのAsa Dotzlerはブログに記している。Dotzlerは、FirefoxおよびThunderbirdのリリースを管理する人物だ。またMozillaによれば、Mozilla自体ではなく、ボランティアらがこのイメージの再利用を考えているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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