ハッカーや悪質なソフトウェアの作者らがAppleのMac OS Xを狙うケースがますます増えていると、セキュリティベンダーのSymantecが警鐘を鳴らしている。
Symantecは同社が年2回発行している「Internet Security Threat Report」の第7号のなかで、過去1年間にMac OS Xで見つかった深刻な脆弱性は少なくとも37件にのぼると述べている。さらに、AppleがMac Miniなど低価格の新製品で市場シェアを拡大していることから、Macユーザーを狙った攻撃の可能性も高まることになると同社は指摘する。
「Mac OSは安全で悪質なコードの影響を受けないと、一般にはそう考えられているようだが、実際にはそんなことはない。これまでは、悪質な行為はMicrosoftやUnixベースのOSだけの問題だと思われていたが、今ではMac OSも明らかにそのターゲットになりつつある」(Symantec)
Symantecはこのレポートのなかで、Macが新しい攻撃の目標になっていると述べ、OS Xプラットフォーム上での脆弱性研究の増加を示すものとして、2004年10月に出現した「a rootkit109 called Opener」を挙げている。
「OS Xにはさまざまな脆弱性があり、それによって攻撃者が情報の開示や認証の回避、コードの実行、ユーザー特権の変更、(DoS)攻撃などを行うことが可能になる。Symantecでは、Appleの新プラットホームの普及に伴って、Macを狙う攻撃の数も増えると考えている」(Symantec)
Appleは米国時間21日、Mac OS Xに見つかった欠陥を修正するパッチをリリースした。同社からコメントを得ることはできなかった。
SymantecはMacを保護する各種セキュリティ製品を販売している。また、Appleのシステムが直面する脅威を強調したこのレポートによって、Macユーザーがセキュリティ対策を強化する可能性がある。
だが、Frost & Sullivan AustraliaのセキュリティアナリストJames Turnerは、Apple製品の購入者の多くはセキュリティを心配しておらず、攻撃を受ける可能性は非常に高いままだとしてSymantecの懸念に賛同した。
「iPod、PowerBook、Mac Miniはどれもクールな製品だ。そのため機能よりも外観優先で選ばれるという面もある。つまり、この手の購入者は見た目の良さに引かれて製品を買うものの、買ったままで安全対策を施さない。Appleの市場シェアは増加しており、ターゲットになるのは確実だ」(Turner)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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