カリフォルニア州の携帯電話販売店に展示されていた2台のNokia 6600で、Cabirウイルスの亜種が発見された。これは、同ウイルスが米国で「一般の目に触れた」初めての例とみられている。
実際、この電話にどのようにしてウイルスが感染したのかは分からないが、どちらの電話機もサンタモニカにある販売店の店頭に展示されていたため、かなり容易に感染できたのではないかと思われる。この店の前を通るだけで、内蔵のBluetoothアンテナを介してこれらの電話機にウイルスを感染させることは誰にでも可能だ。感染を発表したウイルス対策会社F-Secureは、感染が見つかった具体的な日時を明らかにしていない。
この件に詳しい2人の情報筋によると、新たな事例は報告されていないものの、ウインドウに展示されていたこれらの電話機がCabirを感染させていた可能性もあるという。
6月に初めて見つかったCabirウイルスは、電話機メーカーに警告するための害のない実証例から、はるかに悪質なバージョンへと変容し、Nokia本社のあるフィンランド、英国、シンガポールなど、現在では十数カ国で見つかっており、数少ない携帯電話ウイルスのなかで最大の被害をもたらしている。F-Secureでは、米国で見つかった2つの例にそれぞれCabir.H、Cabir.Iと名付けている。
Cabirをはじめとする携帯電話ウイルスは、主に3種類のOS--Symbian、Windows Mobile、そしてNTT DoCoMoが採用するものをターゲットにしている。この悪質なソフトウェアは、ファイルを破壊したり、電話機に強制的に通話料の高いダイヤルQ2系の番号や警察などの緊急電話番号に電話をかけさせたり、DoS(サービス拒否)攻撃を仕掛けて電話機を通話不能にしたりする。DoS攻撃を受けられた電話機は、トラフィックが大量に流入して機能しなくなってしまう。
Innopathのシニアバイスプレジデント、David Sym-Smithによると、携帯電話機へのウイルス感染は、まだ数こそ少ないものの、それが今日のPCの場合と同様に深刻な問題になることへの警笛になっているという。同社は先ごろ、McAfeeのセキュリティ対策ソフトの携帯電話機版の開発に乗り出した。
「これらのウイルスは決して大々的な広がりを見せているわけではないが、実証例は多く、模倣も登場してくるだろう。そこで、業界では現在慎重に調査を進めているところだ」(Sym-Smith)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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