管理者が安易に設定したパスワードを足がかりにして、データベースシステムに感染するワームが出現した。
この悪質なプログラムは「MySQL bot」、もしくは実行ファイルの名称をとって「SpoolCLL」と呼ばれている。Internet Storm Centerが米国時間27日に発表した報告によると、ワームの標的はMicrosoft Windowsオペレーティングシステム(OS)と、オープンソースデータベースのMySQLが稼動するコンピュータだという。また、被害を受けたコンピュータはすでに8000台を上回る可能性があると、Internet Storm Centerはいう。同センターは、ネットワーク上の脅威を監視する組織。
ワームは、システム管理者が設定しがちな安易なパスワードを推測して、データベースマシンにアクセスするための突破口を開く。次に、MySQLの脆弱性を悪用して「ボット」と呼ばれるプログラムを実行し、システムの管理権限を掌握する。
Internet Storm Centerの報告書には、「ボットはパスワードの膨大なリストを持っており、そこから力業で正解を見つけ出している」と記載されている。
データベースソフトウェアを実行しているWindowsシステムに感染することから、このワームのプログラムは2年近く前にまん延したSlammerワームと類似している。だが、SpoolCLLの場合は、パスワードさえ慎重に設定していればシステムが侵されることはないと、Internet Storm Centerは分析する。
MySQLデータベースは、LinuxなどのオープンソースOSとともにインストールされていることが多い。すなわち、インターネットに接続されているコンピュータのうち、このワームの被害に遭うのはほんの少数ということだ。
Internet Storm Centerによれば、ワームに感染したコンピュータは任意のInternet Relay Chat(IRC)サーバに接続を試みて、新たな標的を探し出そうとするという。調査では、IRCサーバに接続を試みたホストは8500台程度あることが判明している。このことから、かなりの台数のコンピュータが、すでにワームに侵されていることが推測される。
一方、セキュリティベンダーLURHQのシニアリサーチャーで、Internet Storm Centerの調査にも関わっているJoe Stewartは、「これ以外にも、このワームの感染方法は存在すると考えている。8500台のコンピュータすべてが、こうした手法でワームに感染したとは断定できない」と述べる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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