米連邦政府は、州政府が発行する運転免許証に適用するハッカー対策用デジタル認証技術について調査するパイロットプログラムの契約を、セキュリティ会社Digimarcと締結した。
Digimarcの30日(米国時間)の発表によると、同社は、米運輸省の幹線道路交通安全局から100万ドルの助成金を受け、各州との共同調査に取り組んでいくという。このプログラムでは、警察官や小売業者などが機械を使って読み取れる電子透かし技術を搭載した運転免許証が開発可能か、調査する。
DigimarcのバイスプレジデントReed Stagerは、「これは連邦政府と州政府の間の素晴らしい連携を示す動きだ。この技術を既に導入している州は多い」と言う。「この技術により、幹線道路の安全性を向上させることができる。また、未成年の飲酒を減らすこともできるだろう。…さらに、個人情報の盗難やなりすましの防止につながる可能性もある」(Stager)
運転免許証を監督するのは通常は州政府の仕事だが、連邦政府では現在、幹線道路の安全性向上や偽造防止に向けた取り組みの一環として、より安全な本人確認方法を探している。連邦政府がこうした取り組みを強化させる背景には、国土安全保障に関する不安の高まりもある。
多くの州の運転免許証には、年齢などの個人情報が書き込まれた磁気テープが既に埋め込まれている。しかし、この磁気テープは誰でも使用できる仕様に基づいて作られているため、偽造が比較的簡単だ。
Digimarcによると、免許証に同社の電子透かし技術が搭載されれば、セキュリティの層が1段厚くなり、偽造が難しくなるという。
オレゴン州ビーバートンに本社を置くDigimarcは、この助成金100万ドルを、州の電子透かし技術導入や、州営の酒店に設置するカードリーダーの購入支援にあてる計画だ。
同社によると、このパイロットプログラムは、2005年末に完了する予定だ。
幹線道路交通安全局の広報担当者からは、この件についてコメントを得られなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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