Symbianオペレーティングシステム(OS)搭載の携帯電話に感染し、情報料のかかる番号にあてて勝手にテキストメッセージを送信してしまうという新型のウイルスが出回り始めている。
Symbianの声明によると、このウイルスは携帯電話用ゲーム「Mosquito」の違法バージョンのなかに存在しているという。「Mosquito」は現在、インターネットやPtoPネットワーク上で無料で配布されている。
同社によると、このウイルス入りのゲームは感染した携帯電話を使い、英、独、蘭、スイスの各国で登録されている有料ダイヤルの番号にあてて、ユーザーの知らないうちに勝手にテキストメッセージを送りつけてしまうという。この問題を解決するには、同ゲームを削除すればいいと同社では説明している。
「Mosquito Trojanは、違法もしくは海賊版ソフトのダウンロードに伴うリスクをユーザーに知らせる警告のようなものだ」とSymbianは述べ、「モバイル端末のセキュリティは、業界全体で責任をもって確保しなければならないとわれわれは考えている。これにはお互いの協力と信頼が必要だ」と付け加えている。
同社は、ウイルスに感染した端末の台数や、感染が拡大し始めた時期については、言及していない。
この最新ニュースからも、ウイルス作成者たちが、今やスマートフォンに狙いを定めていることが分かる。スマートフォンとは、PDA並みの処理能力を持ち、普通のケータイよりはるかに複雑なタスクを処理する携帯電話のことで、インターネットにも常時接続できる。スマートフォン向けにOSを提供する大手2社といえば、SymbianとMicrosoftの名前が挙げられる。
Mosquito Trojanが登場する1カ月前には、スマートフォンをターゲットにした初めてのワームが発見されており、ウイルス対策企業各社は同ワームの解析を始めていた。ロシアのウイルス対策企業KasperskyがCabirと名付けれた同ワームは、Symbian OSを搭載した端末に感染し、短距離無線通信機能のBluetoothを使って、同じくSymbian OSを搭載する別の電話端末を探す。そして同OSを搭載した端末を検出すると、自身をパッケージファイルとして転送し、感染を拡大していく。Cabirのこのような性格がウイルス対策企業の調査用のテスト環境で確認されたが、ただしテスト環境以外での被害は確認されていない。
また、7月中旬には、Windows CEに感染するウイルスが出現した。ルーマニアに本社を置くBitDefenderによると、これは携帯端末用オペレーティングシステム(OS)であるWindows CE向けに作成されたウイルスとしては初めてのものだという。BitDefenderは、同ウイルスについて、Microsoftがスマートフォンや携帯端末用に開発したOSに感染する「コンセプト実証型」ウイルスだと述べていた。この悪質なコードの作成者は、Ratterと名乗っており、Symbian OSのウイルスを作成した29A VXグループのメンバーである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」