ウイルス対策ソフトメーカーのSophosは28日(英国時間)、過去半年のウイルスに関する報告を発表したが、それによるとNetskyとSasserウイルスの作者だと自ら認めたSven Jaschanは、2004年のウイルス感染の70%を引き起こしたという。
18歳のJaschanは5月にドイツで逮捕され、警察にNetskyとSasserワームの両方をプログラミングしたと自供した。これについては、Microsoftの専門家も事実だと認めている。(Microsoftが提供したウイルス対策懸賞金が、この犯人逮捕につながった)。Jaschanが逮捕されるまでの5カ月間に、Netskyには少なくとも25の亜種、ポートスキャンするネットワークワームSasserには1つの亜種が発見されている。
Sophosのシニアテクノロジーコンサルタント、Graham Cluleyは、1人の人間がこれほど多数の感染被害をもたらした可能性があることに驚きを示している。セキュリティ業界団体ISSA UKの会長Richard Starnesもまた非常に驚いている。「Jaschanは履歴書にこのことを記すつもりだろうか」(Starnes)
まだ他の逮捕者は出ていないものの、Netskyウイルスには依然、他の人物が関与している可能性が残っているとCluleyはいう。
「Netsky犯人グループの全容はまだ明らかになっていない。Jaschanの学校の友人らが尋問を受けたことは知っているが、真の動機はまだ完全に分かっていない」(Cluley)
Sophosによると、Sasserワームはウイルス感染被害のトップで全体の26.1%を占め、Netsky.p、Netsky.b、Netsky.dがそれぞれ第2位、3位、4位だったという。トップ10のうち、Jaschanが作成しなかったウイルスは、MyDoom.a(第5位)、Zafi.b(第6位)、Sober.c(第9位)、Bagle.a(第10位)だけだ。
「Sasserはトップの座を占めたが、過去半年間で大きな被害をもたらしたウイルスのうち6つは、NetskyとBagleの亜種だ。これらのウイルス作者らは非常に表立ったウイルス作成競争を始めており、世界中のPCユーザーに被害をもたらし続けている」(Cluley)
Starnesによると、Jaschanは逮捕されたが、彼の後釜に居座ろうとする人々はいつも存在するという。
「ウイルス作者は趣味が高じてなるケースが多いが、ハッカーらは歯止めが効かなくなりがちだ。ウイルス作者のコミュニティの回転率は高い。コミュニティから消えた人の穴を埋める人間は常に存在する」(Starnes)
Cluleyもこの考えに同意しているが、ただし組織犯罪の関係者がウイルスの作成に関わるケースがますます増えており、また彼らのほうが趣味が高じたハッカーよりも用心深いため、捕まりにくいと指摘した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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