Microsoftは13日(米国時間)に、月例のパッチリリースのなかで7つの脆弱性についての発表を行ったが、セキュリティ専門家らは、これらの脆弱性を悪用する新たなワームやウイルスの大量発生に備えている。
今回発表された脆弱性のうち、特にWindows Shell(MS04-024)は、今後ワームやウイルスのターゲットとされる可能性があると、セキュリティ複数の専門家から指摘されている。
Microsoftは、Windows Shellのバグについて深刻度を「重要」としている。だが、このバグは最も深刻なレベルの「緊急」にあたる脅威だと、セキュリティ調査会社eEyeのシニアセキュリティエンジニア、Ben Nagyは述べている。
Microsoftによると、MS04-024の脆弱性があるPCにユーザーが管理者特権でログインしている場合、「この脆弱性で、プログラムのインストール、データの表示、変更、削除、または完全な特権を持つ新しいアカウントの作成など、影響を受けるコンピュータが攻撃者により完全に制御される可能性がある」という。
しかし、ユーザーが「重大な操作」を行わないかぎり、この脆弱性が悪用されることはないとして、Microsoftはこの問題に「緊急」の評価を与えていない。つまり、ユーザーがメールの添付ファイルを開いたり、悪質なウェブサイトからファイルをダウンロードしたりしなければ、問題は起こらないということだ。
セキュリティ業界グループISSA UK会長のRichard Starnesによると、悪質なソフトウェアの作者は通常、欠陥を悪用するためにMicrosoftのパッチにリバースエンジニアリングをかけるという。Starnesはこれまでに見つかった脅威の経験をふまえ、今回発表された脆弱性を悪用する最初のコードが来週にも出現すると予想している。こうしたコードは、メール添付ファイルで送られるワームの作成に利用される可能性が高い。
「コードの複雑さにもよるが、最近の傾向を考えるとおそらく5〜7日で悪質なコードが出回り始めるだろう。こうしたコードはローカルで実行されなければならないため、LoveBugのような振るまいをするものになりそうだ」(Starnes)
eEyeのNagyも、この脆弱性を悪用するために、ウイルスがメールの添付ファイルの形で配信される可能性が最も高いとしている。しかし同氏は、この脆弱性を他の攻撃方法と「組み合わせて」悪用する者が出てくる可能性もあると指摘した。
「この脆弱性がSasserやMSBlastのようなタイプのワームになるとは思わない。だが複合型の脅威も多数存在することから、これが他の脆弱性と組み合わせて悪用されるおそれはある」(Nagy)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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