クレジットカード大手のMasterCardは米国時間22日、増加の一途をたどるオンライン詐欺、特に「フィッシング」という新たな脅威に対抗することを狙った新しい取り組みを発表した。
全米第2位のクレジットカード会社MasterCardは、セキュリティソフトウェアメーカーのNameProtectと協力し、あらゆる種類のインターネット詐欺に関与する人を追跡すると述べた。この取り組みは個人情報の盗難や盗難したクレジットカード情報の販売といった不正行為に対処するものだが、主にフィッシングへの対策に重点を置いている。フィッシングとは、犯罪者が不正な電子メールや偽物のウェブサイトを通して、パスワードなどの個人データを入手する方法をさす。
この取り組みは、今週サンディエゴで開催中のMasterCardのGlobal Risk Management Symposiumで発表された。また、同社はシンポジウムの場を借りて、全米郵政検査公社や米財務省を含む、複数の連邦機関から詐欺撲滅に向けたサポートをとりつけていることをアピールした。
「この取り組みの鍵を握るのは、世界各地でわれわれが取引する2万1000の金融機関すべてと迅速に連絡を取り合えるか否かだ。われわれは、現在オンラインで使用しているシステムに関して、顧客から得ている信頼を守る必要がある。銀行やそのほかの金融機関がこの取り組みに直ちに協力してくれることを確信している」と、MasterCardセキュリティ&リスクサービスグループのシニアバイスプレジデントSergio Pinonは述べた。
複数の業界観測筋の最新データによれば、フィッシング詐欺は昨年来、急増しているという。先週、市場調査会社Gartnerは、預金口座への不正アクセス--情報入手経路はフィッシング詐欺によるものが多い--が米国の消費者詐欺犯罪のなかで最も急増し、ここ1年間で24億ドルもの被害が出ていると報告した。
今回の提携の目的は、被害が出てから犯人を追い詰めるのではなく、消費者の機密データにアクセスされる前に、フィッシング詐欺の犯人たちに対処することだと同社はコメントした。
MasterCardは、NameProtectのソフトウェアを利用して、偽物のウェブサイトなどフィッシング詐欺の温床がオンラインに登場した場合に、初期の段階でそれを突き止めると述べる。そして、捜査当局と協力し、大勢の消費者が被害に遭う前に、詐欺を食い止めたいという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス