パデュー大学のある数学者が、いまだに解決されていない最大の数学の謎とされているリーマン予想を、ついに証明したと主張している。ただしこの証明は、これから他の数学者らにの手で審査されるところだ。
パデュー大学理学部の数学教授、Louis de Branges de Bourciaは今週、証明の試みの詳細を記した23ページの論文をウェブページに掲載した。ふつう数学者はこうした研究成果を学会や科学ジャーナルで発表する。しかし、リーマン予想の解の発見者には100万ドルの賞金が与えられることになっているため、同氏は学会やジャーナルでの発表より前に公表することにした。
de Brangesはあらかじめ準備した声明のなかで、「他の数学者たちに、私の研究成果を審査していただきたい。この証明はいづれ、正式な学会誌等に投稿するつもりだが、状況を考えると、この証明をすぐにインターネットに掲載しなければならないと思った」と述べている。
リーマン予想は素数の分布に関するものだ。素数はそれ自体と1以外では割り切れない数のことで、暗号化技術などのタスクで必要とされている。
先月にはあるグループがこれまでで最も大きな素数を発見し、今月に入ってそれが正しい結果であることが確認された。この新素数は2の24036583乗マイナス1で、10進法で表記すると7235733ケタになる。
他の数学の問題の多くと同様、リーマン予想の証明がすぐに商用目的に役立つとは考えにくいが、今から数十年の内には応用される可能性が間違いなくある。
リーマン予想の歴史は、数学者のBernhard Riemannが1859年に素数の分布方法についての理論を思いついたことに遡る。しかしRiemannは証明を完結する前に、1866年に亡くなった。
それ以来、この問題はカルト的な人気を集めてきた。映画「ビューティフルマインド」のモデルとなったノーベル賞受賞数学者のJohn Nashも、この問題の解明を試みていた。2001年にはClay Mathematics Institute(マサチューセッツ州ケンブリッジ)が、この問題を証明した者に100万ドルの賞金を出すと発表した。
de Brangesは約20年前、これとは別の有名な数学問題、ビーベルバッハ予測を証明した人物として非常に有名だ。同氏はそれ以来、研究のほとんどをリーマン予想の証明に費やしてきていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」