「Wallon」と呼ばれる新種の大量メール送付型ウイルスが11日(現地時間)ヨーロッパで発見された。Wallonは、感染したコンピュータでユーザーがMP3やビデオファイルを再生すると実行され、Windows Media Playerを壊す特徴がある。
NetskyやBagleなどの大量メール送付型ウイルスは、通常メールの添付ファイルの形で感染を拡大する。ユーザーが感染した添付ファイルをうっかり開いてしまうと、ウイルスはコードを実行する。このコードは通常ユーザーのアドレス帳を盗むものだが、ハッカーが感染したシステムのリソースに簡単にアクセスできるよう裏口をつくる場合も多い。
最近ウイルスが頻出していることから、ユーザーはメール添付ファイルをあまり開きたがらなくなっている。このためWallon作者は添付ファイルではなく、ユーザーが電子メールのリンクをクリックすると感染する仕組みにしたのだろうと、フィンランドのセキュリティ会社F-Secureのプロダクトマネージャー、Maikel Albrechtは述べている。
「電子メール内のリンクが実際のウイルスにつながっている。このため、リンクをクリックするとウイルスをダウンロードしてしまう」(Albrecht)
しかし、PCがこのウイルスに感染しても、ユーザーがMP3やビデオなどのメディアファイルを実行するまでWallonは休眠状態となる。感染したシステムがデフォルトでWindows Media Playerを利用する場合にウイルスは動きだし、コンピュータのアドレス帳にある電子メールアドレスにウイルスファイルへのリンクがついたHTMLメールを送付する。
「メディアコンテンツを再生しようとすると、このワームは活動を開始し感染をはじめる。だがユーザーがメディアプレーヤーを見ることはないだろう」(Albrecht)
Wallonが自己を複製するには、ユーザーの介在が必要なため、その感染スピードはあまり速くはないだろうとAlbrechtは予想している。しかしWallonは通常のウイルスとは異なり、「wmplayer.exe」ファイルを破壊するため、このワームに感染したユーザーはMedia Playerを再インストールする必要がある。
Wallonが心配なユーザーは、MicrosoftのMS04-13パッチをインストールすべきだとMicrosoft UKの最高セキュリティ責任者Stuart Okinは述べている。MS04-13はこの問題を解決するパッチで4月中旬にリリースされた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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