セキュリティベンダーの米Network Associatesは米国時間4月12日、スパムメール対策製品SpamKillerの最新版を発表した。最新版には、ベイズ理論に基づいたパターン認識が追加されている。
パターン認識技術は、過去の例から学習してメッセージを「スパム」か「正当」かに分類する方法を定型化するもの。同社では、ある電子メールがスパムである可能性を測定する1つの手法としてこの技術を用いる。
同社のソリューションマーケティングマネージャーTim Smithsonは、「われわれはすでに5つのレベルでスパムメールを検知できる。今回のアップデートは、スパムベースの検知レイヤを新たに追加したにすぎない」と語っている。
ベイズ理論を用い自社製品のパターン認識機能を強化する企業は、Network Associatesだけではない。Microsoftも同技術を使って検索エンジンの向上を図っているし、America Online(AOL)は、ベイズ理論を最新ソフトウェアのアンチスパムフィルタに用いている。
過去の聖職者Thomas Bayesの理論に基づくベイジアンフィルタリングは、過去に受信した正当な電子メールと望まないのに送られてきたスパムメールの特徴を基に、スパムフィルタを構築することを試みる。
ベイズ理論の魅力は、そのシンプルさにある。予測は、現実に選別されたデータに完全に基づいているため、データが増えるとその精度も向上する。もう1つの長所は、ベイズモデルは自己修正型であることだ。つまり、データが変更されると結果もそれに応じて変更されることになる。
この技術はもともと、セキュリティ企業DeersoftのオープンソースのスパムフィルタSpam Assassinに搭載されていたもので、Network Associatesは同社を2003年1月に買収している。Smithsonによると、Network Associatesは自社製品に導入する前に、同ソフトウェアで行った変更をオープンソースコミュニティ内で実際に試しているという。
「オープンソースコードでわれわれが行いたいことは、ある程度の期間コミュニティ内でテストし、製品に組み込む際にいくつかの新機能を追加することだ」と同氏は語る。
Smithsonによると、ベイズ理論を応用したフィルタリング技術はすでに最新版のSpamKillerに搭載されているという。更新サービスに加入している顧客は最新版に自動更新されるとのことだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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