日立、厚さ3mmの薄型指静脈認証モジュールを開発

 日立製作所は8月26日、モバイル機器や自動車、住宅などのスペースに制約がある分野にも搭載可能な、厚さ3mmの薄型指静脈認証モジュールを開発したと発表した。

 新たに開発した薄型非接触フラットセンサは、近赤外光に高い感度を持ち、指静脈パターンを非接触撮影できる。従来のカメラ方式では、近赤外光を照射して得られる指静脈パターンを1枚のレンズを用いて撮影するため、レンズの厚みとともにレンズと指の間の距離が必要であり、指静脈認証モジュールの薄型化には限界があった。

 薄型非接触フラットセンサは、センサの各画素ごとに焦点距離の短い極小レンズを配置する方式のため、指とセンサの間の距離が短くても焦点の合った鮮明な静脈パターンを撮影できる。これにより指静脈認証モジュールの薄型化が実現した。

 さらに、フラットセンサの感度と撮影用光源の明るさを周囲の光の向きや強さに応じてきめ細かく制御する信号処理技術を開発。撮影時にセンサの受光部全体を指で覆い隠す形で認証できる狭エリア静脈パターン画像処理技術により、撮影エリアへの外光の侵入を減少させた。

 日立は、これら2つの技術を搭載した厚さ3mmの指静脈認証モジュールの試作機を用いて、すでに非接触の個人認証ができることを確認したという。

 指静脈認証は、指に近赤外光を透過させて指の静脈パターンを観察・認証する生体認証技術として、日立が2000年に基本技術を確立した。同社ではこれまで、ATMなど金融機関での利用をはじめ、入退室管理、 PCへのログインなどの幅広い分野で実用化している。

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