Googleが、「Chrome」にAdobe Systemsの「Flash Player」を搭載するという約束を果たした。Flash Playerは、集中的な非難を浴びており、同プラグインを他のものに代替しようとする動きが活発だが、Chromeへの搭載によって、勝ち点を取ったことになる。
米国時間6月24日、Windows、Mac、Linux向けのChromeの安定版「Chrome 5.0.375.86」がリリースされたことにより、Flash Playerが同ブラウザのメインストリーム版にも搭載された。以前は、デベロッパー版とベータ版にしか搭載されておらず、また、それらでもいくつかの不具合のためにしばらく無効になっていた。
今回の新しいバージョンでは、以前修正されたが再発生したクロスサイトスクリプティング脆弱性に関連するものなど、5件のセキュリティバグも修正されている。
Flashは、ゲームやストリーミングビデオなどに代表される、リッチなウェブアプリケーションを構築するために頻繁に使用されるコンポーネントで、プログラマーらはこれによってブラウザ間の互換性や機能の相違を埋めてきた。しかし、ブラウザメーカーらは、Flashプログラムによってブラウザがクラッシュしたり、ユーザーインターフェースがわかりにくくなったりするという問題に長い間悩まされており、多くのFlash機能をウェブ標準規格で実現しようとする長期にわたる活動が着実に成熟しつつある。
Googleは、HTML5を推進する企業の1つだが、実際にはHTML5の次期バージョン以外に、Cascading Style Sheets(CSS)フォーマット、JavaScriptによる処理、Hypertext Markup Language(HTML)もウェブページ向けに搭載する。
Appleは、Flashの欠点を列挙した最高経営責任者(CEO)であるSteve Jobs氏による公開書簡の強い文言や、「iPhone」「iPad」「iPod Touch」という「iOS」端末からのFlashの排除などが示すように、Flashを最も大きく否定している。
しかし、その欠点や、称賛と非難が入り混じった評価にもかかわらず、Flashは間違いなくウェブ上で広く利用されており、Adobeは、最新版である「Flash Player 10.1」を携帯電話とコンピュータの両方で動作可能とするなど、その状態を維持しようと努力している。この点において、AdobeとGoogleの間には強い連携がある。Android搭載電話は、Flashを最初にサポートしたスマートフォンであり、今回はChromeにFlashが搭載された。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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