ニューヨーク州南部地区連邦地裁のKimba Wood判事は米国時間5月11日、ソフトウェア「LimeWire」を開発するLime Wireの親会社Lime Groupおよび設立者のMark Gorton氏が、著作権の侵害、不正競争への関与、および著作権侵害の幇助を行ったとする音楽業界側の主張を支持する、事実審理なしの略式判決を下した。
Wood判事は59ページある判決文の中で「証拠資料は、大部分が著作権で保護されているデジタル録音をユーザーがダウンロードできるように、(Lime Wireが)LimeWireの機能を最適化したことを示している」と述べ、「さらに(Lime Wireは)ユーザーによる侵害を幇助した」としている。
今回の判決により、少なくとも、多くの人たちが習慣的に行っているダウンロード行為に変化が生じることは間違いない。もちろん、4大レコード会社を代表する業界団体の全米レコード協会(RIAA)は、次の段階として仮差止命令を獲得し、Lime Wireに対しLimeWireのファイル共有機能を中止させるはずだ。
当然ながら、Lime WireはWood判事の判決に強く反発し、6月1日に予定されている同判事との現状に関する協議に期待していると語った。
Lime Wireは声明で「LimeWireはエンドユーザーのために革新的な製品とサービスを開発したいと考えており、その目標の達成のために、大手レーベルを含む、音楽業界全体と協力していく立場にも変わりはない」と述べている。
音楽サイトやビデオサイトを立ち上げる人たちにとって将来的に厄介な問題になるかもしれないのは、Wood判事の判決で設立者のGorton氏個人が法的責任を問われた点だ。この判決がそのまま有効になれば、これが先例とされ、他の起業家も新しい技術を開発する際に、エンターテインメント分野の著作権に触れることをためらうようになるかもしれない。
RIAAは、侵害された登録作品1件あたり15万ドルとされている、法定損害賠償の上限額の請求権を有していると主張している。RIAAが請求を試みるであろう侵害された作品の数は、膨大な数にのぼるとみられる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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