ユーザー生成型の百科事典「Wikipedia」を運営している非営利団体Wikimedia Foundationは、近くWikipediaのルックアンドフィールを大幅に変更すると発表した。同財団が率先してそうした取り組みを実施するのは今回が初めてだ。
Wikimedia Foundationは米国時間3月25日夜、公式ブログ「Wikimedia Blog」への投稿で次のように述べた。「われわれはデフォルトのデザインを『Vector』というテーマに変更して、主要機能を見つけやすくする。(中略)すべてのユーザーは、サイトのレイアウトが大きく変わったことに気づくだろう。われわれはユーザーの期待に応えるために、サイトのナビゲーションを簡略化し検索ボックスの位置を変更するとともに、他のウェブ標準に準拠するため、表示の乱れを減らし、多様な解像度やブラウザ形式、ウィンドウサイズでも新機能が確実に機能するようにした」
また、伝統的なWikipediaのロゴにも若干の修正が加わる。Wikimedia Foundationの広報担当者であるJay Walsh氏によると、文字の向きの間違いなど、現行のロゴにある小さな誤りを訂正したものになるという。だが総合的に見れば、新しいロゴはユーザーが見慣れた姿を維持することになるだろう。
約50万人のベータユーザーが数カ月にわたって変更点をテストしてきた。Wikimedia Foundationは4月5日、WikipediaのメディアリポジトリであるWikimedia Commonsで新デザインを公開開始する予定だ。この試験公開がすべてうまくいけば、2010年4月下旬には一般のユーザーも、Wikipedia全体で新しいデザインを目にすることになる。
前述のブログ記事によると、アカウントを持っているWikipediaユーザーは、ログインすればクリック1つで伝統的なルックアンドフィールに戻せるオプションがあるという。
ただしこの記事は、ベータテスターの大多数が新しいデザインを受け入れたことも示唆した。これはおそらく、Walsh氏が認めたように、伝統あるWikipediaサイトの刷新が「長く延期されていた」ことを反映しているのだろう。つまるところ、インターネットの歴史感覚で言うなら、2001年から本格的なデザイン変更をしていないサイトなど、ほとんど有史前の遺物のようなものだ。例外的な存在はおそらくCraigslistで、このウェブサイトは最先端のデザインを導入することなく、今風に見せることにどうにか成功している。
Walsh氏によると、Wikipediaのデザイン刷新プロジェクトは、Stanton Foundationからの助成金を得て約8カ月前に始まったという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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