グリーは3月1日、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「GREE」モバイル版のゲーム開発パートナーを「GREE Developer Center」で募集開始した。これは外部パートナーがGREE上でアプリケーションを提供できるようにする仕組み「GREE Platform」の取り組みの一環。あわせてパートナーを資金面で支援するための「GREE Fund」を設立すると発表した。
当初はモバイル版で利用するゲームから、法人を対象に開発パートナーを募集し、6月以降に公開する予定。当初は数十社程度の協力を得てスタートするという。今後はPC版で利用するアプリケーションや、ゲーム以外のアプリケーションも広く募集する計画だ。
GREE Platformの詳細も公開された。先行する「mixi」や「モバゲータウン」と同じく、OpenSocialに準拠したAPIと、GREE独自の拡張APIを提供する。「ほかのサービスからゲームを移植できるし、GREEはモバイルでかなりのユーザー規模がある。基本的には各パートナー候補の方は前向きな姿勢」とグリー代表取締役社長の田中良和氏は話す。プラットフォーム開放は主要SNSのなかでは後発になるが不安はないという。
開発パートナーに対しては収益、集客、ユーザーサポート、パトロールなどの支援を実施する。収益面では携帯電話キャリアの課金に対応した仮想通貨「コイン」を発行し、ゲーム開発パートナーにアイテム販売の仕組み「GREE Payment」を提供する。
またユーザーがゲーム内の広告経由で広告主のサービスに会員登録するとアイテムなどのインセンティブが付与されるアフィリエイト広告システム「GREE Reward」を新たに立ち上げる。いずれもレベニューシェア率はパートナーが7に対してグリーが3という取り分になる。
mixiではアプリが稼いだページビューに応じて広告料がパートナーに支払われているが、グリーは成果報酬型広告を採用した。そのため、比較的コスト負担を抑えて、利益を積み上げられるとしている。
パートナーのゲームがユーザー間で広まるように、いくつかのプロモーション方法が用意される。GREE内のゲームページでゲームを露出したり、GREEの広告枠でのゲームを紹介したりできるという。そのほか、GREE内の友人同士でゲームに招待したり、GREEユーザーの更新情報にゲームのプレイ状況が掲載されたり、クチコミで誘導できるようにする。Facebookトップページのフィードに近いイメージになるという。
そのほか、グリーのソーシャルゲーム運用ノウハウをパートナーに提供する取り組み「GREE Garage」、GREEユーザーの行動を分析可能なツール「GREE Analytics」を提供する。
またグリーは、GREE Platformの開発パートナーへの資金サポートを目的としてをGREE Fundを設立する。開発パートナーの要望に応じて、出資、融資、ジョイントベンチャー設立、開発費用負担、アプリケーションの共同開発、アプリケーションの買取などの方法で支援するという。
田中氏はGREE Platformの特徴について次のように語った。「GREEはゲームだけではなく、さまざまな種類のアプリケーションの開発を進めていく。そこがDeNAとの違いになる。あとGREEはモバイルSNSでは日本最大の会員数を持つ。より多くの人が参加すればするほど面白くなるソーシャルゲームでは我々に優位性がある。さらにソーシャルゲームを長く運営してきた経緯があり、ユーザーもゲームに慣れている。ゲームにお金を払った経験がある人も多いのでパートナーにとってもメリットがある」
現在GREEで提供されているゲームは自社開発の「釣りスタ」「踊り子 クリノッペ」「探検ドリランド」「ハコニワ」の4タイトルのみ。外部パートナーからこれらの内製ゲームを超える品質のゲームタイトルが提供されれば、「個人課金は相当な規模になる」(田中氏)。収益にも大きなインパクトがあると見ている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力