Microsoftは米国時間1月5日、今日のウェブにおいて効果的なグラフィックス形式を統括する団体に加盟することを明らかにした。競合ブラウザに対する「Internet Explorer」(IE)の競争力を高めたいと考える同社の新たな兆候である。
具体的には、Microsoftは、World Wide Web Consortium(W3C)のScalable Vector Graphics(SVG)作業部会に加盟した。Mozillaの「Firefox」、Appleの「Safari」、Opera Softwareの「Opera」、Googleの「Google Chrome」はすべて、「Canvas 2D」というベクター形式のそれぞれ異なるバージョンとともにSVG形式をサポートしている。
MicrosoftのInternet Explorerチーム担当シニアプログラムマネージャーを務めるPatrick Dengler氏はブログ投稿で、「ベクターグラフィックスは、次世代ウェブプラットフォームの重要な要素であると認識している」と述べた。「W3C作業部会におけるわれわれの継続的な関与からもわかるように、われわれは、ウェブの健全な未来の確保に向けて標準化プロセスに積極的に従事するつもりである。SVG作業部会への加盟は、この取り組みに基づくものである」(Dengler氏)
Dengler氏は、IEにSVGを追加するとは明言せず、その可能性に対する質問に対し、同社もコメントを避けた。
しかし、Microsoftは、Internet Explorerの競争力を高め、さまざまな標準規格に準拠させようと、同社のブラウザチームを強化している。そのため、同社が将来的にIEにSVGを追加しないとは考えにくい。MicrosoftがSVGに取り組めば、IE以外にも効果が得られる可能性がある。Microsoftにはブラウザも存在するが、「Microsoft Office」のオンライン版など、要求の厳しいリッチなウェブアプリケーションの構築にも関心を寄せている。
今日のウェブ上のグラフィカル要素の多くは、JPEGなどのファイル形式でエンコードされているが、サイズを伸縮可能なロゴなどのオブジェクトを描画する際には、SVGのようなベクターグラフィックス形式が便利な場合がある。ウェブサイトが小さな携帯電話画面から30インチのモニタにいたるまであらゆるサイズに対応しなければばらない現在、この形式は特に有用であるといえる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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