音楽ビデオ分野への参入を進めるHuluは米国時間12月22日、4大レコード会社の1つであるWarner Music Groupと、同社の持つ動画コンテンツの一部について提供を受ける契約を結び、さらに新しく小さな一歩を踏み出した。
提携の内容は、Huluが、Jason Mraz氏やロックバンドのParamore、英国のオルタナティブバンドのMuseなど、Warnerに所属する少数のアーティストのコンサート映像や音楽ビデオを提供するというものだ。CNETでは正式発表前に、HuluでMuseのコンテンツが提供されているのを確認したと報じていた(注:コンテンツが視聴できるのは現時点では米国内のみ)。
現実問題として、Warnerの所属アーティストが加わっても、Huluの音楽ビデオライブラリはよく言って「それなり」というほどの規模だ。Muse以前にも、Huluは11月にEMI Musicと契約を結び、一部の所属アーティストの厳選されたコンサート映像と音楽ビデオを提供することが決まっている。この合意は、Huluにとって初めてのレーベルとの契約と考えられていた。
一方、YouTubeは、デジタル時代版MTVの役割を担うと目される存在だ。Google傘下の動画サイトであるYouTubeは、すでにUniversal Music Group、Sony Music Entertainment、Warner、EMIと契約を結んでいるが、これもHuluが4大レコード会社の一部と契約を結ぶ障害にはなっていないようだ。
新たな音楽ビデオの提供ルートを試験導入したのがWarnerというのも、納得できる展開だ。同社は常々、コンテンツの配布ルートを幅広く確保したいと述べており、いかなるディストリビューターについても独占提供させることは望まないとの意向を示してきた。さらに、音楽ライセンス契約の条件をめぐってWarnerとGoogleが9カ月間対立していたことも加わって、Huluは音楽ビデオ市場に食い込む、小さいながらも開かれた機会を手に入れることになった。
音楽ビデオは、YouTubeで最も多く視聴されているコンテンツなので、少数のバンドのビデオクリップだけではHuluが一大勢力となるには不十分だ。だが少なくとも、レーベルは自社のコンテンツへの管理を強めたいと考えていることは確実なようだ。
12月に入り、UniversalとSonyが、Googleが技術支援した独自の音楽ビデオサイト「VEVO」を開設した。
Warnerも独自のオンラインビデオ広告戦略を模索している。確かに、レーベルにとっては、YouTubeとHuluが競争するのは好ましいことと言える。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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