MicrosoftがWindowsを使ったプログラミングの技術水準を進歩させたように、Googleもウェブベースのソフトウェアについて同様のことを行おうとしている。その最新の一手が、「Google Web Toolkit(GWT)2.0」のリリースだ。
GWTはJavaで書かれたソフトウェアを、ブラウザがネイティブに実行できるJavaScriptのコードに変換する。実行速度が速いJavaScriptを生成し、さらにはさまざまなブラウザ間の互換性に関する厄介な問題を軽減するよう、GWTは設計されている。
米国時間12月8日夜に開発者向けイベントGoogle Campfire Oneで発表された新バージョンのGWTは、ウェブを単なる静的なウェブサイトだけでなく、アプリケーションをも支えるより強力な基盤とするという、同社の基本方針に即している。この方針を金銭面で支える同社の論法は、ウェブの利用が増加すればGoogleを使った検索が増え、検索が増えれば広告収入が増えるというものだ。
GWTはオープンソースのツールだ。GWTを使いGoogleが構築したウェブサイトには、最近では「Google Wave」「Orkut」および「AdWords」のインターフェースなどがある。
GWTプロダクトマネージャーのAndrew Bowers氏は「この1年間、応用研究開発部門の複数のチームと共同で、彼らのニーズを満たす進化を目標に作業を続けてきた」と語る。同氏は具体的に、一新されたGWTの新しい機能を3つ挙げた。
「Speed Tracer」:ブラウザ「Chrome」の拡張機能で、ウェブアプリケーションの動作の遅れを時間軸で記録してグラフで示す。
Speed Tracerは、JavaScript、HTML(ウェブページの記述で新しい役割を担う)、およびCSS(ウェブページの表示形式指示を担当)間の複雑なやりとりの中で生じる問題について、ウェブ開発者がこれを発見する手助けをするものだ。「標準的なJavaScriptからHTMLとCSSに移行する機能が増え、それに伴って多くのものがネイティブ機能に移っているため、パフォーマンスに関する問題点を見つけるのは難しくなっている」とBowers氏は言う。
「コード切り分け(Code-splitting)」技術:ウェブアプリケーションを、直ちにダウンロードしなければならない緊急の部分と、比較的ゆっくりとした送信でも構わないその他の部分に切り分ける。
Bowers氏は漸次的にアプリケーションをダウンロードするこの機能を、動画のストリーミングに例えた。ストリーミングでは、ビデオが完全にダウンロードされる前から視聴を開始できる。同氏はさらに、この機能はGoogle Waveのチームと共同で開発したものだと語った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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