Microsoftは、リリースから8年が経過した「Internet Explorer 6」(IE 6)を使うユーザーに対し、アップグレードを積極的に促すキャンペーンを開始した。
Microsoftは3月に「Internet Explorer 8」(IE 8)をリリースして以降、IE 6を時代遅れだと批判する人々と意見が一致している。多くのユーザーはすでにIE 6から移行しているが、残ったユーザーは多くの場合、厄介な相手である。これには、社内のコンピューティングポリシーによって選択肢の余地がない場合や、テクノロジに疎くて、新版に移行すべき理由があることに気づいていない場合などがある。
Microsoftは、IE 6より優れた選択肢としてIE 8を推薦するキャンペーンを2010年6月まで実施し、上述した後者のケースをターゲットにしている。同キャンペーンの目に見える最初のものとしては、オンラインでホリデーシーズンの買い物をする人に向けた動画や、「eBay」の毎日のお得情報を宣伝する「Web Slice」がある。Web Sliceは基本的には、ブラウザで縮小版のウェブページを表示できるライブブックマークのことだ。
Internet Explorer担当シニアプロダクトマネージャーであるRyan Servatius氏は、「われわれが今回の支援プログラムで行っているのは、実在するソーシャルエンジニアリングの脅威から身を守る方法や、IE 8では自分のオンラインでのプライバシーを管理できるようになるということを、ユーザーに理解してもらうことだ」と述べた。セキュリティはIE 6の大きな問題の1つだった。そして、Microsoftは現在、IE 8のセキュリティ機能は1日あたり200万件のマルウェアサイトをブロックすると豪語している。
Net Applicationsの統計によれば、IE 6は今でも最も幅広く利用されているブラウザで、10月におけるシェアは23.3%だったという。2位は「IE 7」(18.16%)、3位はIE 8(18.12%)だった。新版のブラウザがIE 6からシェアを奪っているが、それはMozillaの「Firefox」やAppleの「Safari」、Googleの「Chrome」などのライバルも同様である。
ウェブ開発者は、高度なウェブサイトやアプリケーション向け最新機能の多くに対応していないIE 6をサポートしなければならないことについて、よく不平を述べている。Microsoftも、IE 6がインターネットの発展を抑制していることを認めている。
「ウェブを進化させるためにユーザーができる最良のことは、人々がIE 6から離れるのを支援することだ」とServatius氏は述べた。
もちろん、多くのユーザーは「Windows 7」を購入することによって、IE 8にアップグレードすることになるだろう。IE 6は今でも揺るぎない地位を維持している「Windows XP」と一緒に出荷されたブラウザだった。しかし、Windows 7は「Windows Vista」よりも遙かに優れた後継OSであることを示す兆候がある。このことは、企業顧客がIE 6から離れるための有利な材料になるかもしれない、とServatius氏は述べた。
「企業が今日使用しているOSからWindows 7へ移行するにつれて、IE 6離れも進むだろう」とServatius氏は述べた。「われわれが行っているのは、世界中の消費者、そしてIT専門家の双方と協力し、彼らに最新ブラウザの利点を理解してもらうことだ」(Servatius氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」