Twitterの共同創設者兼会長であるJack Dorsey氏が立ち上げた新しいモバイル決済ベンチャー「Square」について、ほんの少しだけ情報を得ることができた。予想通り、Squareは「iPhone」をクレジットカードリーダーに変身させる小型のハードウェアアドオンである。
面白いのは、この小規模企業向けプロジェクトに関する詳細が、何カ月も前からウェブ上で公開されていたことだ。しかし、Coolhuntingが最初に報じた「Square iPhone Payments Venture」のスクリーンショット上のURLがDorsey氏に登録されているドメインと一致することにEngadgetの観察眼の鋭い人々が気づくまで、誰も真相に気づかなかったのだ。
ほぼちょうど1年前にTwitterの最高経営責任者(CEO)を辞任したDorsey氏は、新会社の本部をニューヨーク州に置いている。ただし、同氏は既にニューヨーク市とサンフランシスコの両方に従業員を抱えているとわれわれは聞いている。同社のウェブサイトは、「SquareUp.com」に設置される可能性が高い。現在のところ、そのサイトには、Dorsey氏が投資したサンフランシスコの新しいコーヒーショップであるSightglass Coffeeを含む、いくつかの事業へのリンク集が掲載されている(それらの店舗では、Squareがテストされているのではないだろうか)。
Coolhuntingに掲載された情報は以下の通りである。
この革新的な小型プラスティックカードリーダーは、iPhone(または「iPod Touch」)のヘッドホンジャックに差し込むことが可能で、クレジットカードから読み取ったデータをアプリケーションに送信する。従業員が請求金額を入力すると、顧客は指先でサインすることによってそれを確認し、その後、従業員か顧客のいずれかが、領収書の送信先となる顧客の電子メールアドレスを入力する。決済は、固定料金に加えて別途必要な少額の手数料と引き換えに、Squareが処理する。代金は、支払先の店舗の銀行口座に直接振り込まれるため、処理する側は時間と煩雑な手間の両方を省くことができる。顧客の領収書には、決済した店舗の位置を示す地図が含まれる。これは、そうした情報を記録して分類し、ファイルしている人にとっては便利な機能だろう。
われわれは、著作権やライセンシングに関連する何らかの法的問題により、このベンチャーが当初報道されていた「Squirrel(リス)」(TechCrunchのMG Siegler氏によれば、新デバイスの見た目がドングリに少し似ていることから、そう名付けられたという)ではなく、Squareと呼ばれるという情報を耳にした。CNET Newsは当初、Dorsey氏が位置情報ベースのモバイルナビゲーションを手がけるベンチャー企業Foursquareのエンジェル投資家だったことを伝えるニュースと併せて、この名称変更を報じた。
生産および製造には先行投資コストがかかるという明白な理由のため、通常、ハードウェアベンチャーへの投資は、ウェブベースのベンチャーよりもお金がかかる。
しかし、Squareの事業計画に詳しい2つの情報筋によれば、Dorsey氏は、おそらく「square」を1台当たり40セントのコストで製造することによって、生産コストを極めて低い水準に維持できると考えているという。同社は、デバイスを無料で提供し、決済手数料によって収益を上げる方法を選択する可能性もある。これは、Gilletteがカミソリで採用している古典的なビジネスモデルだ。すなわち、カミソリを安価、または無料で提供し、より高価な替え刃で利益を上げるという手法のことだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」