地域情報サービス「30min.」、MVCを引き受け先に第三者割当増資を実施

鳴海淳義(編集部)2009年10月16日 13時13分

 地域情報サービス「30min.」を提供するサンゼロミニッツは10月16日、三井ベンチャーズ・グローバル・ファンド投資事業組合(業務執行組合員:エム・ヴィー・シー)を引き受け先とする第三者割当増資を実施し、元ジェイ・リスティング代表取締役社長で、現在はエム・ヴィー・シーに所属する西窪洋平氏が取締役に就任したことを発表した。

 サンゼロミニッツは、PC、iPhone、Android向けにローカル型の地域情報サービスを展開しており、PCのユニークユーザー数は83万人、iPhoneアプリは累計11万ダウンロードに達しているという。増資により、スマートフォン以外の携帯電話対応などのサービス強化を図る。

 増資額は2500万円。増資後の資本金は3000万円となる。サンゼロミニッツ代表取締役社長の谷郷元昭氏は、「まずは人員を補強し、積極的に30min.に機能を追加していきたい」と語る。

 10月からは強力なエンジニアが加わった。1日に発生した地震を一覧で見ることができる「今日の地震」というiPhone向けのヒットアプリがある。これを開発した南保紀善氏がサンゼロミニッツに参加している。

 サンゼロミニッツは会社設立から谷郷氏と代表取締役CTOの野々村範之氏の2人でサービスを開発してきた。ユーザー向けの無料ウェブサービスは、収益化の見込みが立つまである程度の時間がかかる。そのため初期段階はコストを徹底的に抑えてきた。

 同社のオフィスは、株主のオフィスの一部を間借りするという形をとっている。間借り先は赤坂にあるアエリアのオフィスの一角だ。スペースを借りることで少ない固定費で身軽な経営が実現したという。

 谷郷氏によれば、オフィス用のデスクや椅子、ネットワークなどを新たに準備する必要がなかったため初期投資が少なく、照明や空調といった部分についても気にする必要がないなど、オフィスの間借りにはメリットが多いという。

 コスト面以外にも大事なことがある。「少ない人数で開発していると煮詰まってしまうこともある。金銭面以上に、すぐ相談できる人が周りにいるという価値が大きい」(谷郷氏)。間借り先のオフィスの人に自社サービスについて相談したり、意見を聞いたりすることもあるそうだ。

 同社は近々、iPhone版30min.で大幅なアップデートを予定しているという。

たくさん人がいるように見えるが、サンゼロミニッツに携わっているのは写真左の谷郷氏(黄色いTシャツ)と右端の野々村氏だけだ。たくさん人がいるように見えるが、サンゼロミニッツに携わっているのは写真左の谷郷氏(黄色いTシャツ)と右端の野々村氏だけだ。

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