Amazonは米国時間9月1日、Googleが作家や出版社に提案している和解案を激しく攻撃した。
先週、AmazonがOpen Book Allianceに加盟したことで、同社の「Google Books」に対する反対の姿勢は公になった。しかし、Amazonは1日、ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所に独自の書類を提出し、Googleが提案した和解案を確定することに反対した。Amazonはその提出書類(PDFファイル)の中で、同社も書籍をスキャンしているが、Googleのように明確な許可を得ずに、著作権法でまだ保護されている絶版書籍をスキャンするような問題行動をとったことはないと述べた。
はるか昔の2004年、Googleは図書館の蔵書をスキャンし始めた。そのときGoogleは、コンテンツの断片しか表示しない限りにおいては、フェアユースに該当するという理解の下で、著作権で保護された書籍の全文をスキャンする権利を有していると考えていた。作家団体や出版社がこれに猛烈に抗議したことで、集団訴訟が始まり、今回問題になっている和解案が提案された。
Amazon側の弁護士は次のように書いた。「Amazonは今回、裁判所に独自の見解を提起した理由は、同社自身もGoogleによく似た書籍スキャンプロジェクトに従事しているからだ。しかし、両社には1つ大きな違いがある。Amazonは、まだ著作権保護期間内にあるに書籍については、著作権保有者から許可を得たものだけをスキャンしている」
さらに、提出書類では、この和解案は「著作権保護期間内の作品ライセンスがGoogleおよび新設された『Book Rights Registry』に有利なように設定されている。これは対象となる作家や出版社などにとって不公平である」との不満も述べられている。Amazonは、著作権法のフェアユース規定をめぐる論争に議会が介入することを望んでおり、これらの権利を取得するのに集団代表訴訟による和解を利用することは、「訴訟を通して著作権法を書き直すという前例のない行為だ」と述べている。
もちろん、書籍の未来というのは、Amazonにとって極めて重要な問題である。通常の書籍を世界で最も多く販売する企業の1つであるAmazonは、「Kindle」をリリースしたり、独自のデジタル書籍ストアを立ち上げるなど、デジタル書籍市場にも目を向けている。
10月上旬にDenny Chin判事の下でフェアユースに関する審理が予定されているが、Googleには味方もいる。ソニー、米国障害者協会(American Association for People with Disabilities)、欧州委員会、そのほかの数団体は、裁判所に和解を支持する書類を提出している。そして、英国の出版社であるCoolerbooksは1日、Googleの「Partner Program」に参加することに同意した。これにより、今回の和解では争点になっていないパブリックドメインの書籍について、Googleがスキャンして作成したコピーをPartner Programが提供できるようになる。
太平洋夏時間午後2時52分更新:Googleは3日午前、市民権擁護団体の和解案支持者や障害者支援に関わる人たちとともに、記者会見を開く予定だ。これについては、追って報道する。
また、3つの図書館団体が2日、和解案には反対しないが、裁判所による「積極的な監視」が行われることを望むとの主張を繰り返した。
しかし、訴訟者名簿から判断すると、反対者の方が支持者よりも多いようだ。Chin判事が読むべき書類をさらに増やしたいという人は、4日までに提出する必要がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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