米司法省は米国時間7月2日、特定書籍のデジタル出版権に関してGoogleと出版社団体の間で合意した和解について、独占禁止法違反関連で正式な調査を始めたことを明らかにした。
同省が調査に乗り出すことは既報の通りで、Googleは当局から情報提供を求められていることを明らかにしていた。2008年10月に和解で合意するまでこの案件を担当していたDenny Chin裁判官は、司法省から正式な調査の通知を2日に受け取り、ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所での訴訟記録の一部として通知書を公開した。
「独占禁止法規制当局は、デジタル書籍の知的財産権と流通に関して非競争的な手段が用いられた可能性を調査している」と、司法省で広報を担当するGina Talamona氏は述べた。同氏は、この声明およびChin裁判官に2日送付された通知書に記された以上の詳細は語らなかった。
Googleは次のような声明を明らかにした。「司法省および複数の州の検事総長から和解の影響に関して調べたいと連絡があったが、われわれは喜んで質問に答えるつもりだ。この和解は非独占的なものであり、裁判所によって承認されれば、米国で数百万点規模の書籍にアクセスが拡大することに注目すべきだ」
Googleは書籍検索「Google Books」での書籍のデジタル化計画を巡って複数の出版社団体から提訴されていたが、2008年10月にGoogleが1億2500万ドルを支払うことで和解した。和解によりGoogleは、著作権で保護されているが絶版となった書籍をデジタル化してオンラインで検索できるようになり、著作者は各自で和解案に加わるか離脱するかを選択することになった。現在流通している書籍についてGoogleは複数の出版社と協議し、パブリックドメインの著作をデジタル化している。
この和解は、著作権で保護されているが絶版となった書籍に関してGoogleに独占権を与えるものと考える人々から激しい批判を浴びている。こうした書籍を出版したいと希望する場合は個別に著作者と交渉しなければならないが、多くの著作者の所在は簡単に分からないからだ。Chin裁判官は4月に、著作者が和解案に参加するかどうかを選択する期限を当初の5月から9月へと4カ月間延長し、この件の最終審理を10月に予定している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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