FacebookとThink Computerは、「facebook」という単語が本当にFacebookの商標であるかという問題をめぐる係争で和解に達した。
Think Computerは、米国時間5月22日遅くに発表された和解の下、2006年にFacebookが申請した商標登録を無効にするよう米特許商標庁(USPTO)に求める訴えを取り下げることに同意した。
Think ComputerとFacebook間の今回の係争の背景には、長く複雑な経緯がある。共同声明によると、Think Computerの創設者Aaron Greenspan氏は2000年代初めに、Facebookの創設者であるMark Zuckerberg氏と同じハーバード大学に在籍していたという。Think Computerは2003年、ウェブベースの学生向けポータル「HouseSystem」をリリースしており、その中に「The Universal Face Book」または「The Face Book」と名づけられたセクションがあった。共同声明によると、開設当時HouseSystemには、セキュリティ上の懸念からメンバープロフィールはなかったという。Think Computerがプロフィールを追加したのは、Zuckerberg氏が2004年にFacebookを立ち上げた後であったという。
Zuckerberg氏は声明において、「Aaronと私は共にハーバード大学で学び、私はいつも彼の起業家精神とものづくりに対する熱意に感心していた」と述べた。「Universal Face Book機能を含む、houseSYSTEMの構築に至った彼の勤勉さと発想を尊敬している。大学ではhouseSYSTEMのメンバーだったほどだ。今回、友好的な解決に至ったことに満足している」(Zuckerberg氏)
Greenspan氏も声明において同様に、感謝の意を表明した。「私の貢献がFacebookに認められたことをうれしく思っている。MarkはFacebookという素晴らしい企業を作り上げた。Facebookが今後も成功し続けることを望んでいる」(Greenspan氏)
「Authoritas: One Student's Harvard Admissions and the Founding of the Facebook Era(権威ある者:ある学生のハーバード大学入学とFacebook Era時代の創立)」という題名の自費出版の書籍を執筆したGreenspan氏は、「facebook」および「face book」という単語は一般的な語であり、商標登録することはできないと主張していた。同氏はその商標を自分が獲得したいと考えていたのではなく、「Google AdWords」で自分の書籍を宣伝する際に問題が生じるため、商標の無効化を求めていた。Greenspan氏はまた、Facebookの背景にある概念は自分の所有物であるとも主張していた。
和解金の金額については明らかにされなかった。しかし、2008年夏には、かつてのハーバード大学でのライバルConnectUが、Zuckerberg氏がConnectUのソーシャルネットワークに向けたコードとビジネスプランを盗用したと主張した係争に関し、Facebookと和解している。非常に複雑な状況となったその訴訟では、和解金として6500万ドルが、現金およびFacebook株で支払われたことが明らかになっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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