IntelはCPUのメーカーとして最もよく知られているが、同社の研究部門はユーザーがウェブ上の情報を利用する新たな方法を継続して提案している。同社の最新プロジェクトの1つである「Think Link」は、人々が誤った情報を見つけるのを支援し、それを修正するためのツールを提供することを目標としている。
クラウドソースのタイプミス検出サービスである「GooseGrade」や「SpinSpotter」と同様に、Think Linkの目的も間違いや不正確な主張に人々の注意を向けることである。対象となるのは、ブログ投稿記事やニュース記事、研究論文、広告などだ。Think Linkがほかのサービスと異なるのは、間違いを指摘したユーザーが信頼度の高いソースへのリンクを掲載し、ほかのユーザーが論点に関して投票できるようにしていることだ(Googleの「SearchWiki」と同じ方法)。そして、最も賛成者の多い主張が一番上に表示される。こうした機能により、ユーザーは比較的容易に自分の主張を裏付けることが可能だ。
例を挙げると、筆者の記事中に誤った記述がある場合、ユーザーはコメント欄や電子メールを通して筆者を非難する代わりに、ほかの有志と一緒に筆者の記述ミスを即座に指摘し、申し立てをすることができる。
唯一面倒なのは、Think Linkコンテンツの閲覧および作成には、ブラウザ拡張が必要なことだ。拡張をインストールすれば、ほかのユーザーが「反論あり」、「興味深い」などと印を付けたアイテムを閲覧することができる。反論のあるアイテムにマウスポインタを重ねると、ある論点が不正確、または事実と異なることを示す最も有力な証拠がポップアップ表示される。
さらにユーザーは、Intelが「argument graph(議論グラフ)」と呼ぶ図を通して、 対立する両者の主張を掘り下げて確認することも可能だ。このツールは、Think Linkのほかのアイテムだけでなく、「Wikipedia」の関連トピックからもデータを取得する。これにより、反論を読んでいるユーザーは、対立する両者の言い分をより完全な形で把握することができる。
このプロジェクトで本当にクールなのは、Think Linkを使用し、Intelが「snippet(スニペット)」と呼ぶものを作成する人が増えれば増えるほど、議論の対象となる関連アイテムのデータベースが増強されることだ。これらのアイテムは、新たな申し立てをする際、簡単に検索し、議論の構築に利用できる。また、内蔵の推薦エンジンを使えば、Think Link以外のツールをほとんど利用することなく、ある論点に関する賛成論や反対論を即座に構築することが可能だ。
適切な管理と情報ソースのコントロールさえできれば、Think Linkを発見エンジンと結びつけて、旬の話題を追跡することも可能かもしれない。さらに、記事執筆中にリアルタイムで簡単に事実確認できる手段をブロガーに提供できる可能性もある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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