テレビ向け映像配信サービスを手がけるひかりTVは、3月11日に契約数が50万を突破したと発表した。サービス開始から1年。当初計画よりも前倒しで目標値をクリアしているという会員獲得の現状から、放送サービスの拡充予定まで、NTTぷらら代表取締役社長の板東浩二氏が語った。
2008年3月31日に、「OCN シアター」「オンデマンドTV」「4th MEDIA」の3サービスが統合され、新スタートを切ったひかりTV。開始当初20万ちょっとだった契約数は、2008年9月に約27万、12月には約39万と順調に増加し、2008年度末には50万突破の約52万契約を見込んでいるという。
2008年度の契約数見込みは、当初予測の約48万を上回っている。「2008年上半期は、地上デジタル放送の再送信といった新サービスの開始やサービスとプラットフォームの一本化など、営業に力が入らなかったこともあり伸び悩んだが、9月以降順調に伸びてきた。2009年度計画では、約110万契約を目指す。これは当初契約に比べ1年前倒しの数字となる」(板東氏)と、好調さを裏付ける。
ひかりTVが提供しているコンテンツは、専門有料チャンネルが見られる多チャンネル放送、ビデオ・オン・デマンド(VOD)、地上デジタル放送IP再送信と大きくわけて3つ。中でも人気を得ているのがVODコンテンツとのことだ。
「プラン別加入状況を見ると、5000本のVOD作品が見放題となる『お値うちプラン』と『ビデオざんまいプラン』を約70%のユーザーが利用している。これはペイ・パー・ビューではなく、固定料金で気軽にVOD作品が楽しめるというプラン。この見放題が契約数増加大きく貢献している」(板東氏)と分析する。
今後の展開に関しては、現在5チャンネルのハイビジョンチャンネルを4月からは15チャンネルに、10月からは30チャンネルへと拡充。この中には国内初のハイビジョンチャンネルも含まれるとしている。
また、地上デジタルのエリア拡大を推進するとともに、BSデジタル放送の再配信についても検討しているとのこと。2009年第2四半期をメドにサービスを開始したい意向を明らかにした。
さらに新規サービスとして、HDDを内蔵した高機能STBの発売、STB機能を内蔵したAVパソコンへの対応も計画されているとのことだ。
板東氏は「ひかりTVのサービスは、ケーブルテレビや衛星放送などと競合するのでは? という見方もあったが、ユーザー調査によるとケーブルテレビへの加入経験は75%、CS放送への加入経験は80%が『なし』と答えている。今後は、ひかりTVならではの新市場をいかに拡大させていけるか」と今後への期待を寄せる。また「ひかりTVの損益分岐点は契約数90万。2009年度の契約目標110万をクリアすることで黒字転換を目指したい」とした。
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