語学を学習できるソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「iKnow!」が、3月3日にサイト名を「smart.fm」に変更し、語学以外のあらゆる知識を学べる場としてリニューアルした。
iKnow!はもともと英語学習SNSとして、セレゴ・ジャパンが2007年にスタートした。その後、機能追加を重ね、190カ国語に対応した。ユーザーは自分の学びたいコンテンツをサイトに登録できるようになった。2009年3月時点で会員数は約43万人、その97%が日本人だ。
「smart.fmは語学学習だけのサイトではない。これからは知識全体を管理できるようになる。サイト名の由来は、賢くなるという意味のsmartに、ストリーミングを表すfmを組み合わせた」(セレゴ・ジャパン代表取締役社長のエリック・ヤング氏)
歴史的人物や年号、動植物、地名、標識、専門用語など、どんな情報でもこれまでのiKnow!学習エンジンの上で学ぶことができる。音声やイメージ、Wiiを使ったゲーム形式の学習アプリケーションなどもiKnow!から引き継いだ。
たとえば、標識や植物の名前は写真を表示し、名前を当てるというイメージ学習アプリケーションが適している。写真を複数表示して正解を選ぶというクイズ形式のアプリケーションもある。
smart.fmは、ユーザーが自由に学習コンテンツを作成できる「ソーシャルラーニングプラットフォーム」としても機能する。自分が働く分野の専門用語を整理し、smart.fmに登録すれば、さまざまなアプリケーションで学習できると同時に、最適な学習スケジュールも提案してくれる。
だが、気になる言葉をウェブ検索すれば、検索結果の上位にWikipediaが表示され、すぐに一通りの情報を把握できる。その場で知るだけでなく、記憶したいというニーズがインターネットユーザーにあるのだろうか。
「もちろん知識を知るだけでもいい。Wikipediaに限らず、情報はウェブのあらゆる場所にある。でもその情報を知識に変える場所はsmart.fmだけだ。人生のいくつかのシーンで記憶しなければいけないときがくる」(エリック氏)
たとえば道路標識は、自動車免許の取得あるいは書き換えのときに必要な知識だ。ほかにもソムリエ、エステ、料理などの資格試験でも情報を暗記しなければいけない。一緒に仕事する人の名刺と顔写真を覚えたい場合は、smart.fmのプライベートリストを使って非公開で学習できるという。
書店の資格コーナーにあるような分野はほとんどsmart.fmで学べるかもしれない。サイトリニューアルの時点で、英語、フランス語、中国語をはじめとした「言語」、本や映画などの「エンターテイメント」、役者や歴史上の人物などの「人物」、コンピュータやプログラムなどの「技術」、生物学や化学などの「学問」、会計や法律などの「職業」といった学習コンテンツが揃う。足りないコンテンツは自分でアップロードするか、誰かがアップロードするのを待てばいい。
これだけのコンテンツがすべて無料で公開されている。「smart.fmは永遠に無料。料金は必要ない」(セレゴ・ジャパン代表取締役会長のアンドリュー・スミス・ルイス氏)。将来的に課金するとすれば、たとえば英語の先生が自分の生徒にだけ学習コンテンツを公開して学ばせるケースなどだという。
「オープンにしていない情報から料金を取ることはあり得る。もちろん自分だけが使うプライベートリストは無料のまま。でもグループ内で非公開に共有する場合は課金するというコンセプト。これはあくまで将来の話だ」(エリック氏)
今後は日本と米国を中心に1年で400〜500万人の新規ユーザー獲得を目指すという。ターゲットは米国の若者、Facebook、MySpaceを積極的に利用する世代だ。そうしたプラットフォームに向けたアプリケーションも開発している。
「Yahoo!やGoogleを別として、米国人と日本人をしっかりと獲得できたベンチャーはいまのところない。我々のような日本発のテクノロジーベンチャーにそれができるかチャレンジしたい」(エリック氏)
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