オンラインフォトサービスを提供するFlickrが、そのサービスにビデオホスティングを加えてから1年が経とうとしている。この間、高精細度(HD)ビデオはデジタルカメラの主要な機能になり、YouTubeなど大手ビデオホスティングサービスも次々に対応した。しかし、Flickrは対応せず、しかもビデオサービスは年額25ドル支払っているプロ会員向けだった。
この2つの制約が米国時間3月2日に取り払われた。有料プロ会員ならHDビデオをアップロードできるようになり、以前にアップロード済みのクリップも今週末までに新HDプレーヤーの16:9の画面に収まるよう再処理される。また、Flickrは無料会員にも動画機能を提供していくが、この場合、HDビデオの再生は標準精細度(SD)プレーヤーのみに限定される。
ただし、映像は美しくなったものの、ビデオの長さは90秒以下、ファイルサイズは150Mバイト未満という制約は残っている。標準精細度のビデオであれば、このサイズ制限は差し支えないが、試しに筆者のNikon D90で90秒のクリップを作成してみたら、サイズ制限を大きく超える252Mバイトになってしまった。つまり、HDビデオをアップロードしようと思えば、相当短くカットするか、何らかのソフトウェアを使って圧縮しなければならないということだ。大概の人にとってはいずれも好ましくなく、この制約は改善されるべきだろう。さもなければ、多くの人は、YouTubeやVimeoなど別のサービスに流れていき続けるだけだろう。
HDビデオへの対応のほか、FlickrはExploreセクションの一部として、「Flickr Clock」という新しい機能を披露している。これは、1日のうちの同じ時間に撮影されたビデオを配列して閲覧する機能。同社は1月後半にすでに、ビデオを提供するための特別なグループを用意していた。そして、このプロセスには、撮影日時をシステムに分からせるため、ビデオに特殊な「マシンタグ」をユーザーが手動で追加する必要がある。この機能を設計したのは不動産サイトTruliaをビジュアル化したstamen design。さらに有名な例でいえば、Diggの利用状況をリアルタイムでビジュアル化する機能を手がけたこともある。
更新:本稿公開時には分からなかったが、注記しておくべきことが2点挙げられる。まず1点は、Flickrは無料会員が作成できるセットの制限を廃止した。これまでは3つまでに制限されていたので、これは良いニュースだ。悪いニュースとしては、無料会員が1カ月にアップロードできるビデオの数は、新しい規則にしたがって、2つまでだということだ。Flickrのソフトウェア「Uploadr」を利用しているユーザーは、ビデオをアップロードするためには新版を手に入れる必要がある。Flickrのウェブインターフェース上からアップロードしているユーザーは特に必要ない。
また、HDビデオのストリーミングは、FlickrのAPIを使用するサービスに利用可能になっている。つまり、まもなくサードパーティーのブラウジングおよび投稿用アプリケーションで利用可能になるということだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス