Microsoftのリッチメディア技術「Silverlight」に対応した初のオープンソース実装である「Moonlight 1.0」の正式版がリリースされた。
Moonlightは、Novellが主導するMonoプロジェクトの一環で、Miguel de Icaza氏が同プロジェクトの開発責任者を務めている。同氏は米国時間2月11日にブログ投稿で、Moonlight 1.0の完全版のリリースを発表した。2008年12月には、Moonlight 1.0のベータ版が公開されていた。
しかし、de Icaza氏は同日、Twitterの「tweet(つぶやき)」で次のように述べている。「Moonlight 1.0は実際には、Obama米大統領の就任式である1月20日に合わせて公開されていたが、(Novellの)PR、マーケティング担当(従業員ら)には通知されなかっただけだ」
Silverlightは、Adobeの「Flash」に対抗する技術としてMicrosoftが開発したもので、ブラウザ上でアニメーションやマルチメディアなどのリッチウェブコンテンツの再生を可能にする。そして、Moonlightは基本的に、このSilverlightを使って作成されたコンテンツをUNIXまたはLinuxベースのシステム上で再生可能にする技術である。これまで、FlashコンテンツはUNIXやLinuxシステム上でも再生可能だった。
de Icaza氏は11日の投稿で、「(Moonlight 1.0は)完全な機能を備えている。われわれは、Microsoftのすべての回帰テストスイートに合格する。また、Microsoftのx86、x86-64アーキテクチャ向けMedia Packをサポートする」と述べている。また同氏は、Moonlight 1.0はX11ウィンドウシステムを使ったUNIXまたはLinuxシステムで動作する「Firefox 2」または「Firefox 3」向けプラグインとしても利用可能だと付け加えた。
Silverlightはすでにバージョン2.0までリリースされているが、de Icaza氏のプロジェクトでは、すでにSilverlight 2.0との互換性を確保するため、Moonlight 2.0向けのテストビルドを進めている。de Icaza氏によると、Silverlight 2.0は初期版からの「大幅なアップグレード」で、「より完成され、洗練されている」という。de Icaza氏は、Monoプロジェクト(同プロジェクト自体がオープンソースかつ.NET Framework互換のプログラミングツールの開発を目指している)が、Microsoftの最近の製品との互換性を維持できているのは、Microsoftの協力のおかげだとして、同社を称賛した。
2月に入ってからMicrosoftのキャンパスを訪問したというde Icaza氏は、「Microsoftは、われわれがSilverlightのオープンソース実装を開発中ずっと支援し続けてくれた」とし、さらに次のように続けた。「Microsoftは、『Microsoft Dynamic Language Runtime』(DLR)、『Microsoft Managed Extensibility Framework』(MEF)、さらに重要製品の『Silverlight Control Library』と『Silverlight Control Toolkit』をOpen Source Initiative(OSI)が認証したMS-PLライセンスの下で公開された。このMicrosoftの協力がなければ、われわれは追い付くのに数年を要していただろう」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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