Googleの検索結果に1月31日深夜、異変が生じた。すべての検索結果に「このサイトはコンピュータに損害を与える可能性があります」と表示され、目的のサイトにアクセスできなくなっていた。Googleによるとこれは「人為的なミス」なのだという。
Googleで検索すると、結果に表示されたすべてのサイトに同様の警告文が表示された。検索結果に出てきたサイトをクリックすると、遷移先のページには「警告- このウェブサイトにアクセスすると、コンピュータに損害が生じる可能性があります」という一文が現れるだけでサイトの内容は見られない状態になっていた。この事象は日本時間で1月31日午後11時30分から2月1日午前0時25分まで続き、日本語版だけでなく英語版でも同様だった。
Googleは米国の公式ブログで、「ご不便をおかけしたことをお詫びします」とした上で、原因について次のように説明している。Googleは悪意のあるソフトウェアが仕込まれているサイトについては、検索結果で「このサイトはコンピュータに損害を与える可能性があります」と表示するようにしていた。こういった問題のあるサイトのリストは、StopBadware.orgという非営利団体から提供を受けており、StopBadware.orgは機械検出ではなく、手作業でこのリストを作成していた。(※その後、Googleからは訂正コメントが発表された。詳しくは本文下の追記参照)
そして今回Googleが受け取ったリストの中には、「人的ミス」(Google)によって、「/」というものが入っていた。これが「すべてのURL」と解釈され、結果としてGoogleからどのサイトにもアクセスできなくなったのだ。ちなみに、これはGoogleプロパティのサイトも例外ではなく、Google自体やGmail、YouTubeなどにもアクセスできなかった。ただし、検索連動型広告「AdWords」のリンク先を除いて。
Googleによると、社内の担当者がすぐに気づいて対応したことで、40分程度で回復したとのことだ。
Googleでは「ご不便をおかけしたすべての方、そして間違った分類をされてしまったすべてのサイトオーナーにお詫びいたします。今回の件は十分調査し、再発防止に向けファイルチェックをより厳重に致します」とコメントしている。
追記(2月1日午後3時20分)
Googleの説明に対し、StopBadware.orgから抗議があった。StopBadware.orgによると、同団体がGoogleに提出したリストが問題を引き起こしたわけではないという。StopBadware.orgはGoogleと共同で問題のあるサイトについてチェックし、Google自身がそのサイトを「悪意があるもの」と分類しているからだというのがその理由だ。
Googleはこの抗議を受けて、説明を変更した。悪意のあるサイトのリストをメンテナンスしているのはGoogle自身であり、機械的な方法と手作業の両方で行なっているという。今回問題となったサイトリストを作成し、システムに投入したのもGoogle自身とのことだ。StopBadware.orgとはリスト作成において協力関係にあり、「悪意のあるサイトリスト」に入っているサイトの運営者が異議申し立てをできるようにしているとのこと。ちなみにGoogleは、StopBadware.orgの活動資金を援助している。
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