米国時間1月15日にハドソン川へ不時着水したUS Airwaysの旅客機の近接写真がネット上で急速に出回ったのが原因で、その写真をホストしていたサービスである「TwitPic」が機能停止に追い込まれた。
TwitPicを利用することで、携帯電話で撮影した写真をTwitter投稿に添付できる。フロリダ州サラソタに住むJanis Krumsさんが通勤フェリーから撮影した同旅客機の写真を、少なくとも7000人が閲覧しようとしたため、同サービスはダウンしてしまった。
TwitPicの創設者で、今もなお同サービスを個人で運営しているNoah Everett氏によると、多くの人々がこの旅客機の写真をretweet(tweetに対する返信)し、さらにSilicon Alley Insiderなど、いくつかのニュースサイトによって取りあげられた結果、トラフィックが同サイトのサーバの許容量を超えてしまったという。
Everett氏はこれを「雪だるま効果」と呼んでいる。
Everett氏はまた、飛行機事故の現場写真がTwitPicを使って投稿されたのは今回が初めてではないと述べている。同氏の説明によると、Continental Airlinesの旅客機が12月にコロラド州のデンバー国際空港で滑走路を外れた際も、同旅客機の乗客がTwitPicを使って写真を投稿したが、その時は、同サービスはダウンせず持ち堪えたという。
マンハッタンから直接見える場所で発生した飛行機事故に対する国民の関心が高かったため、デンバーの事故の時よりも今回の方が、Krumsさんの写真が生み出したトラフィックが多かったのではないか、とEverett氏は推測する。
15日の事故は不幸な事故だったが(ただ、奇跡的に死者は出なかった)、Krumsさんの写真が非常に大きな注目を集めたということは、TwitPicが有用なサービスだと証明していることをEverett氏は認めている。
Everett氏は、「今まで、これほどマスコミで取り上げられたことはなかった」と話している。
「大きな驚きであり、うれしいが、悪いニュースがきっかけとなったことは残念だ」(Everett氏)
また同氏は、すでに追加のサーバを入手し、間もなく運用を開始するという。
Everett氏は、「1カ月後には、今回のようなことに影響を受けなくなるだろう」と述べた上で、「現在、サービスの成長に対処できるよう取り組んでいる最中だが、今回の件でニュース速報とTwitPicの力を再認識させられた」と語った。
Everett氏によると、TwitPicがダウンする前にKrumsさんの写真の閲覧数はおよそ7000に達し、その後も同写真を閲覧するためのリクエストが15〜20秒毎におよそ500件寄せられたという。
またEverett氏もすぐには確信が持てなかったが、Krumsさんの写真の大きさがAppleのiPhoneで撮影された写真の平均的サイズである600×800ピクセルだったため、Krumsさんは撮影にiPhoneを使用した可能性が高いという。
太平洋標準時刻1月15日午後2時35分時点で、TwitPicはサービスを再開している。
「(TwitPicには)寝てしまわず起きていて欲しいので、わたしもこの問題に徹夜で取り組む」(Everett氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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