児童ポルノの画像を含むという理由からWikipediaへのアクセスが制限されていた英国で、インターネット監視団体Internet Watch Foundation(IWF)がブラックリスト追加の決定を覆したため、再びWikipediaにアクセスできるようになった。
IWFは、ロックバンドThe Scorpionsが1976年にリリースしたアルバム関するWikipediaのページに異議を唱えていた。「Virgin Killer」というタイトルを持つ同アルバムのカバーには思春期前の少女の画像が使われており、IWFはこれを「潜在的に違法でみだらな画像」とみなし、ブラックリストにWikipediaを加えた。
この結果、英国のISPは先週末、Wikipediaのすべてのページへのアクセスをフィルタリングし始めた。
IWFは現地時間12月9日に声明を発表し、Wikimedia Foundationの抗議と説明を受け、この決定を撤回すると述べた。Wikimedia Foundationは、Wikipediaを運営する非営利団体。
「IWFの理事会は本日、今回の事例に関して、画像が存在する期間と広く入手できるという観点からこれらの調査結果と文脈的課題を考慮した結果、われわれのリストからこのウェブページを削除することにした」とIWFは記している。
IWFはさらに、この画像にアクセスできないようにするという取り組みが逆に、同アルバムカバーへの注目を世界的に高めてしまい、正反対の効果を生んだことも認めている。
「IWFの最も重要な目標は、インターネット上にある児童のみだらな画像の入手可能性を最小化することだ。しかし、今回の場合、われわれの取り組みは正反対の効果を生んでしまった」とIWFは述べている。
Wikimedia Foundationは、IWFの「迅速な対応」を称賛する一方で、この出来事が監視団体による説明責任の必要性を浮き彫りにすることとなったと述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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