ソーシャルネットワーキングサービス「mixi」のデータを外部サービスから利用できる仕組み「mixi Connect」が2009年春に正式公開される。この技術を実験的に活用し、12月4日にソニーがデスクトップウィジェット「mixi checker」を公開した。mixi内の特設サイトはこちら。
mixi checkerはソニーのウィジェットプラットフォームである「FLO:Q」上で利用する。デスクトップに常駐させておいて、友人の新着日記や自分の日記への新着コメント、新着メッセージ、足あとなどを確認できる。
ターゲットユーザーは20代から30代の女性。仕事上でのPC利用時間が長く、mixi上でのコミュニケーションが活発な人を想定している。ウィジェットを開発するにあたっては、作業中でも常時起動して何気なく使える「実用性」と、コミュニケーションを可視化する「楽しさ」に重点を置いた。
表示モードは、ほかの作業をしている最中でも更新情報を確認できる「ティッカーモード」と、更新情報を一覧できる「リスト表示モード」を1クリックで切り替えられる。
また、あらかじめ用意されているスキンを選び、ウィジェットの見た目をカスタマイズすることも可能だ。スキンによって新着情報アラートの演出に違いがある。
「ウィジェットはウェブサイトを置き換えるものではなく、あくまで付属的なもの。詳細情報はウェブで簡単に入手できる。mixi checkerでできることは限定されているが、ウィジェットならではの機能を盛り込んだ」(ソニー グループ戦略部門 事業戦略2部 FLO:Qプロジェクト室 室長の竹下直孝氏)
PCの操作にあまり詳しくない人にも使ってもらえるように、ダウンロードからインストール、起動までの手順に工夫が凝らされている。mixi checkerの配布サイトでmixi checkerのダウンロードボタンを押すと、FLO:Qの動作環境であるAdobe AIR、FLO:Qのウィジェットを管理するWidget Manager、mixi chekerの順に自動でインストールされ、Widget Manager、mixi chekerが同時に起動するようになっている。
FLO:Qは2006年10月にブログパーツとしてスタートし、2007年11月にデスクトップウィジェットを機能を追加した。Widget Managerはすでに約8万人のユーザーにダウンロードされており、年内には10万ユーザーを超える予定だ。
ソニーの狙いは、mixiユーザーをターゲットにFLO:Qの認知度向上を図ること、そしてウィジェットのビジネス化を実現することだ。常にデスクトップに表示されているウィジェットは、ユーザーの目に触れる機会が多いことから広告配信に適している。広告事業は博報堂DY メディアパートーナーズが担当。mixi checkerにはテキスト広告とバナー広告、タイアップ広告が表示される予定だという。
特にタイアップ広告はウィジェットならではの広告手法だ。ウィジェットのオリジナルスキンを企業のオリジナルデザインとし、企業キャラクターやロゴなどを違和感のない形で常時表示させることができる。
ミクシィ側にとってもmixi Connectを活用したビジネスモデル構築は新たな一歩だと、ミクシィ mixi事業本部 企画部パートナーサービス企画グループ リーダーの真弓貴博氏は述べる。「mixi Connectを使った事例を作りたかったというのもありますが、具体的なマネタイズは今回が初めて。そこはとてもチャレンジングなところ」。
mixi Connectの正式なサービスインは2009年4月を予定しているが、3社間でビジネスモデルを構築していくにあたっては、「実験的にmixi Connectを使っていただければと先行公開した」(真弓氏)という。
「本来のmixi Connectの狙いとしてあったのはまさにFLO:Qのような形。ミクシィとしてはデスクトップのウィジェットは得意分野ではないので、そういった分野はパートナー企業さんにお任せし、mixiとしてはコンテンツを提供することでうまく協業できたらと考えています」(真弓氏)
ソニーの竹下氏はmixi checkerの配布目標について、「まずはアクティブユーザー5万人を目標にしています。毎日5万人のユーザーさんが起動してくれるとメディア価値も生まれてきますので、そこに対して、どういう形であればユーザーさんにとって、違和感、嫌悪感なく企業情報を見ていただけるのか、計測を重ねて解を見つけていきたいです」と語った。
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