「Google Earth」は、その衛星からの眺めを2000年近く前の古代ローマ都市を再現することにまで手を広げている。
西暦320年の都市の航空写真を見せてくれるような衛星は存在しないものの、Googleの「Ancient Rome 3-D」は古代ローマ全盛期の様子を3Dシミュレーションで提供する。同ツールのこの新機能は、仮想的な時空間旅行を可能とするもので、ローマ周辺を飛び回り、コロセウム、フォーラム、キルクスマクシムスといった古代建築物の当時の様子を拡大して観察することもできる。ポップアップウィンドウには、専門家による歴史的情報が表示される。
米国時間11月12日に発表された同プロジェクトは、Google Earthに古代都市を組み入れようという初めての試みである。開発は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校とバージニア大学の研究者らと共同で進められた。
コンピュータグラフィックスは、1974年に亡くなったイタリアの建築家Italo Gismondi氏の作品で、同氏が亡くなる3年前に完成させた石膏モデル「Plastico di Roma Antica」を基にしている(同モデルはローマの博物館Museo della Civilta Romanaで見ることができる)。
このデジタル化プロジェクトは1997年に始まり、完成までに10年を費やした。その後このプロジェクトをウェブに移す作業に、15人でほぼ1年かかった。
そしてその苦労は報われたようだ。
ローマのGianni Alemanno市長はGoogleのサイトのブログ投稿において、「このプロジェクトについてわたしが最も感心させられるのは、3次元モデルの詳細部分が正確に再現されている点である」と記している。「古代ローマの記念碑、街路、建造物を観賞し、仮想カメラによって建築物の中に入り、その細部を隅々まで観察することができるとは、非常にすばらしいことだ」(Gianni Alemanno市長)
映画「グラディエーター」やHBOのテレビ番組「Rome」の影響もあって一般の人々の間に古代ローマへの関心が高まっているが、Googleはこの新機能を教育的なツールとして宣伝しており、この新機能を導入した革新的な講義プランを教師らから募集している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス